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第1話

ms.優しい嘘*
202
2020/07/27 07:15
you.side

「うぅ⋯」

お腹の痛みで目が覚める

「あ⋯やばいもしかして⋯」

嫌な予感がして布団をめくると案の定
赤く染ったシーツ。

「やっちゃった。」

横には夜中遅く帰ってきた貴くんが寝ている。

こんな汚いシーツで昼間まで寝てもらう
のもなぁ。

申し訳ないけど、、

「…貴くん、、」

『⋯ん』

「ごめんね、起こしちゃって」

『あなた、おはよ』

眠そうなのにニコって微笑んでくれる

「おはよう」

『どした?』

「ごめん、シーツ汚しちゃってさ」

『あぁ、、』

布団で隠してるけど悟ってくれる貴くん

「シーツ取り替えるからソファーいっててもらっていい?」

そう言って布団から出た貴くんは、

寝室を出ていった

シーツをとって洗面所に向かおうとすると

貴くんが帰ってきた

『ズボンは?』

「え?」

「う、ん、」

『ズボン汚れちゃったでしょ?」

『これ』

『ん。』

って貴くんの部屋着を渡される

『パンツも交換しておいで。俺洗っとくから』

「え、でも⋯」

『ん?気持ち悪いでしょ?』

戸惑っている私からシーツを奪う

貴くんに血を見られるのは抵抗あったけど

貴くんの押しにおされてトイレに行く

「シーツ、私洗うからね」

『うん。』

さすがに血を洗ってもらうのは抵抗がある

ふー。やっぱ初日は辛すぎる。。。

洗ったらもっかい寝よ

トイレを出て洗面所に向かう

「貴くん、ズボンありがと、、」

『んー。シーツ洗剤につけといたよ』

「ありがと。これも、洗う」

『洗剤につけといてあとで洗お』

「いま洗っちゃう」

『俺、眠いんだけど』

そう言った貴くんの目の下には

少しクマがあった

色々してくれる貴くんに甘えて忘れてた、、

貴くん仕事から帰ってきたばっかなんだ。

「あ、ごめん。先寝てていいよ。

そっか、シーツひかなきゃ」

慌てて洗剤に浸して

新しいシーツをひきにいく

『俺こっちやるよ』

「ありがとう」

一緒に綺麗にひいて、、

『ねよ〜』

「わたし、洗ってくるね!」

『あなたも寝よ?』

「でも、、」

『いいから』

って腕引っ張られて、貴くんの胸の中。

『お腹大丈夫?」

「うん。」

貴くんの胸の中は温かくて優しくて

微かに聞こえる鼓動の音が心地良くて。。。

痛みも忘れていつの間にか寝ていた

寝息を立てている私を見守ったあと

貴くんが洗剤につけておいた

シーツとズボンを洗って洗濯機にかけ

やっと眠りについたのも知らずに。

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