第3話

3話
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2021/11/02 15:46
煉獄杏寿郎は朝から落ち着かず、母である瑠火に叱責されてしまった。
少しバツが悪かったが、そんな事も吹っ飛んでしまう程、今日のこの興奮は止まらなかった。

いや、今後も毎朝興奮しっぱなしではないのか?と思った。

夢のような一日の幕開けのように感じていた。


杏寿郎「よもや!!もうこんな時間か!!」

瑠火「杏寿郎、そろそろ行かないと遅刻しませんか?」

杏寿郎「はい!母上!!そろそろ行って参ります!!!」

瑠火「気をつけて下さいね。」


そう見送られて杏寿郎は自家用車に飛び乗った。父から誕生日祝いに貰ったこの車はかなり値が張るもので杏寿郎もその値段を聞いた時は驚いた。
白い車体はいつも綺麗で艶がある。これは杏寿郎が車を大事に磨いている証拠だ。

サッと車に乗ると杏寿郎はエンジンをかけ車をキメツ学園に向かって走らせた。


運転中そっと夢の中の出来事を思い出した。

杏寿郎にも前世の記憶なる物が存在する。キメツ学園に通っている者やこの辺り周辺に住むものは鬼殺隊である前世を持っており、その前世を思い出している者が多い。

杏寿郎は去年からこのキメツ学園に新任の歴史教師として来たのだ。

そこで日照雨あなたの存在を知った。
彼女は前世での杏寿郎の恩人であり、杏寿郎の想い人でもある。しかし恋慕っているのは今日からの一方的な思いだった。
彼女自身は杏寿郎自身の事は覚えてはいたが、亡き婚約者の事以外は鮮明には思い出せなかった。
そんな事も知らない杏寿郎は自分の事を少なからず覚えていると思っていたがあなたは一切と言っていいほど彼女は杏寿郎の事を覚えていなかった。
それが、杏寿郎にはとてつもなく悲しかったが、彼女が一年の時はなかなか話す機会がなかったが、今年は違う。

今年は彼女のいるクラスの担任となれたのだ!

杏寿郎「俺は必ず君にとってなくてはならない存在になってみせよう!!!」

1人杏寿郎は走行中の車の中で決意を口にした。

そうしているうちに彼の車は学園に近づいた。

(よもや!!!あれは日照雨そばえ少女!!!!!)

朝、正門を潜る前のあなたを見かけたのだ。
いつものメンバーである胡蝶、甘露寺も連れていた。
彼女達は学園でも有名な美人女子高校生であると有名なため目立つのだった。

杏寿郎は朝からあなたの姿を見ることができてツイていると思いにやにしながら、校舎の裏にある教師専用の駐車場へと車を止めに行った。

その後、同期の宇髄に異様な目で見られたのはいうまでもない。

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