第6話

夏の味
96
2018/08/21 15:35
東條くん
はい、これ
しばらくして戻ってきた東條くんの手には、二本のアイスバー。
私(榎本 さやか)
え、これ私に…?いいの?
東條くん
うん、一緒に食べよ。ソーダ味、嫌い?
私(榎本 さやか)
ううん!全然嫌いじゃないよ!大好き!
東條くんは、よかった、と笑いながら、美味しそうにかぶりつく。
なんて優しいんだろう。
私(榎本 さやか)
あのね、中三のときにね…
先輩のことを、全て話した。
話の途中で、アイスが溶けるのを、二人でやば、とか、あぶね、とか言いながら食べた。

東條くんは、ときおりアイスが溶けていくのにも気づかなくなるほど、真剣に私の話を聞いてくれた。
私(榎本 さやか)
聞いてくれて、ありがとう
東條くん
ううん、大丈夫だよ
私(榎本 さやか)
自分がよく分からなくってさ、毎日悩んでるんだよね
東條くん
あんまり、無理しないでね?あの、まあ、これからも話聞くぐらいならいつでもできるから。
いつでも連絡して、おれ暇してるから、と笑いかけてくれた。
私(榎本 さやか)
本当にありがとう…

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