お腹すいた〜、と誰かが言った。
時刻は夜22時。
あれから3時間ほど勉強していた。
言われてみれば、
私なんて仕事が終わってから
何も口にしていない。
ダメだ、私もお腹すいてきた。
ぶっ続けで勉強なんて、
集中力があるよな〜この子たち。
教えていても楽しいし、
前向きに覚えようとがんばってくれるから
お礼に…ラーメン作るか。
焦った。びっくりした。
え?意味がわからない。どういうこと?
ディエイトの好きな人が…私?
それに、あの全員の慌てかたも
よくわからないな…
ラーメン食べたら帰ろ。眠たいし。
そう言って、
ホシが器を渡してくれた。
調子狂うな〜…
いつもみたいに好き勝手騒いで、
やりたい放題してるほうがいい。
勉強もひと通りしたし、
お礼の食事も用意した。
帰って寝たいし、お風呂にも入りたい。
そんなつもりじゃなかったのに。
不毛な戦争が始まった。
家で、家に帰って、寝たいんだよ。
お願いだから。
はやく食べ終わって、片付けさせて。
今から帰るとなると
家に着くの、日付回っちゃうかな〜。
やってしまった…
やっぱりいくら知ってる人でも、
先生にお風呂貸すのきついよな〜。
諦めるか…
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。