第6話

5話
297
2024/01/23 03:00
その後、じゃぱぱはよくお茶会に出るようになった。


お茶会に初めて来てから、半年ほど経った春頃。
jp
やっほ〜、って今日たっつんだけ?
tt
うん。なんかみんな用事あるらしくって
jp
へぇ〜、みんな同時とかなかなかないんじゃない?
tt
それもそうやなw
tt
今日は珍しいお茶用意したんやで!これ!
jp
へ〜!
jp
ん✨美味しい!
tt
そりゃよかったw
その時、草陰の向こう側から話し声が聞こえた。
mb
…やっぱりあいつさ…
mb
…だよな、あのウサギ…
mb
王様に近づいて、玉の輿狙いだよな
tt
っ!?
何言ってるんだ。

玉の輿、だなんて…
jp
ーーっん?たっつん!
tt
うぇっ!?ど、どうしたん?
jp
紅茶!溢れてるよ!?
tt
うわっ、ほんとやん!?
どうやら盗み聞きに夢中になって、紅茶を派手に溢してしまったようだ。

慌ててテーブルクロスを拭いて、紅茶を淹れ直す。
jp
どうしたの?ボーッとしてた?
tt
そうっぽい。ごめんな、すぐ淹れ直すから
jp
や、焦らなくてもいいけど…
じゃぱぱにはあの会話が聞こえてなかったらしく、不思議な顔をする。
tt
(俺ウサギやからよく聞こえたんかな…?)
tt
はい、どうぞ(コトッ
jp
ありがとー!
tt
いきなり飲むと火傷すんでw?
jp
それぐらい分かってるよ!?たっつんは俺のこと子供とでも思ってんのー?
tt
あははw、ごめんってw
「まったくたっつんは…」なんて言いながらじゃぱぱは紅茶を飲む。

端正な顔立ち、所作から滲み出る品の良さ。

どこから見ても、一挙一動が絵になってしまう人。
tt
(やっぱりカッコええんよなぁ…こいつ…)
そんなことを考えながら、思い直す。

自分は、じゃぱぱの隣に自信を持って立つことなんてできない、と。













おかしい。

なにかおかしい。

今日のお茶会以降、というよりお茶会の途中ぐらいからだろうか。

たっつんの元気が無くなった気がしたのだ。
jp
(はっ、もしかしてキモかった!?)
今回のお茶会がいつもと違ったのは、参加するメンバー。

俺とたっつんだけになったのが、俺が仕組んだと思われたのかもしれない。
jp
今度から誰か連れてくかなぁ〜
ya
どこにだよ
jp
うぇっ、ゆあんくん!?いつのまに…
ya
ついさっきだよ。あと王様、こいつらの給料減らして
そう言ってゆあんくんが指さしたのは、すでにボコボコにされている兵士二名。
jp
え、なんで…?
ya
こいつら最近なおきりさんの悪口言うんだよね
jp
えぇ…
ya
なんか城の内部のやつと部外者が仲良くしてんの意味わからんって
jp
いやいいだろ別に…
ya
や、そうじゃなくて。なんか狙ってるだろって感じ
jp
…事実じゃん
ya
俺が許せないのは、なおきりさんは狙ってない!俺が狙ってんの!
jp
ふ〜ん
その時、バタンと扉が開く。
sv
おい、そいつらの減給、俺も賛成だ
na&et&rn
私たちも!!
jp
なんでシヴァさん達が…?
ya
わかってくれるか、なおきりさんが狙ってないってこと!
sv
めっっちゃわかる。けど今そういう話じゃないんだ
ya
え?
et
あとで語ろう!
sv
じゃぱさんも関係ある話だ
rn
ていうかじゃぱぱさんが一番重要ですよね
jp
え?俺?
na
そこの二人…お茶会のメンバーが王様狙いってデマ流してますよ
ya
…は?
jp
へっ?
ya
おいお前いつの間になおきりさんに…
jp
ちょっと待って!?俺知らないそんなこと!
sv
まぁ完全にデマに決まってるんだけど…
na
当たり前です!誰がこんなヘタレ王様!
jp
グハァッ!?
et
ヘタレw
jp
ヘタレじゃねぇよ!
sv
まぁまぁそんなことはおいといて
ya
減給?減給か?
jp
減給はしない…けど
jp
今後こういうことがあったら罰則かな
rn
ちなみに罰則とは何を…
jp
…まぁのあさんとえとさんに任せるよ
na
ほんとですか!?
et
よっしゃ!
ya
ちょっと待って俺も混ぜて
et
まぁまぁ落ち着け。そん時になったらかんがえよ
rn
楽しみですね!
sv
推しカプのイチャイチャを妨げるならそんぐらいだろ
jp
…地下牢に監禁の方が良かったかな…

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