がちゃ、
結局家に着くまでずっと手を繋いでいた
ほとけの手が離れると少し寂しく感じてしまう
ばたん、っ
おかしい。
おかしい。おかしい
ほとけと手を繋いだ感覚が消えない
あんなの嫌いなはずなのに
ほとけなんか...ほとけなんか
自分の発した言葉に耳を疑う
無意識に出た言葉だった
嫌い、俺はあいつのことなんか嫌いなはず
あいつも俺の事嫌いなはず
2人嫌いでよかったはず
顔を上げると心配そうな顔をしたほとけがいる
知らなかった、泣いてたことにも気づかなかった
ほとけが優しく俺の頭撫でるから余計に涙が出てくる
俺が落ち着くとそう優しく話しかけてくる
また涙が出てきそうなのを必死に堪えて話す
俺が言葉を全部言う前に俺の体がほとけの体に当たる
耳元で聞こえるほとけの声は芯があるように聞こえて少しどきっとしてしまう
好きなのに俺から出てくる言葉は嘘ばかり
さいご見えたのは泣きそうなほとけの顔だった
ほとけが部屋を出ていく
1人になった部屋は寂しく感じた
ほとけがいなくなって2時間が経過した
俺はあのまま動けないでいる
情けないな....ほとけ悲しませて...
そう考えていると急に電話がなる
着信相手はないこだった
そういうとないこはすぐに電話を切る
俺なんかが会いに行ったところでほとけは喜ばないし...
でも、、ほとけがいなくなるのは嫌
正直疲れたし泣いたしで走る気力もない
でも何故か俺の足は止まらなくてずっと会いたくて
ぴーんぽーん
がちゃ
どあが開くとすぐそこにはないことほとけがいた
言葉よりも先に体が動いて
抱きしめていた
大嫌いなんて出てこないけど大好きも出そうで出ない
でも今しか伝えられない
ほとけの笑顔がどうしても好きで
思わず強く抱き締めてしまう
ないこはそう言うと颯爽といえのなかにはいっていく
帰り道ずっと無言の中にほとけの声が響く
ほとけと付き合うことに関して何も思わない
むしろ少し嬉しいなんて思う
夕日に照らされ2人の影がのびる。
静かな通り道には2人の笑い声が響いた
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。