第40話

体育祭編②
955
2023/12/30 23:19
ミッドナイト
それじゃあ早速第1種目の障害物競走行きましょう!!
ミッドナイト
いわゆる予選よ!!
コースはこのスタジアムの外周4km!!
ミッドナイト
コースさえ守れば何したって構わないわ!
さあさあ位置につきまくりなさい...
生徒たちがスタートラインに着く。

あなたも態勢を整えた。
黒瀬 あなた
(何したって構わない...か)
黒瀬 あなた
(こんな人混みで個性使ったら死人が出るな。かと言って''瞬間移動''もあまり使いたくない。)
説明が遅れたが、あなたがちょくちょく使う瞬間移動は、あなた自身が電磁気となり移動できる、というものだ。
瞬間移動と言うと聞こえは良いが、案外デメリットが多い。
1回で移動できる距離は最大50m。
使い終わったあと3秒ほどタイムラグが生じるが、そんなの誤差だ。

そして、直線移動しかできない。

攻撃と同様、くねくね曲がったりするのは無理である。

長い距離で移動すればするほど乗り物酔いのような感覚に見舞われる。
連続で乱用しても気分が悪くなる。

2、3メートルくらいなら気分を害すことは無いが、人混みで使えるような代物では無い。
黒瀬 あなた
(周りの人が減ったら使うか...)
プレゼントマイク
それじゃあ....スターーーーート!!!!!!
大勢が一斉に走り出した。
モブD
ってスタートゲート狭すぎだろ!!
前方はかなり詰まっているようだ。
あなたは瞬間移動を使うより前に、普通に人酔いしそうになった。
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相澤消太
....
相澤先生はモニターを前に渋い顔をしていた。
プレゼントマイク
そんな渋い顔をするなよイレイザーヘッド!!!
せっかくの体育祭なんだから!!!!
相澤消太
そうだが...
プレゼントマイク
黒瀬のことが気がかりなのはわかるが、あの子の体育祭出場を推したのはお前じゃないか!
信じろよ、自分の生徒を!!
相澤先生は気さくに笑うマイクを見て、少し気持ちがほぐれた。

USJの事件に引き続き、何も起こらないといいが。


黒瀬あなたについて、まだ情報が足りていない。
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障害物競走の初手は轟がリードしていた。
しかし...
八百万百
甘いわ轟さん!!
爆豪勝己
そう上手く行かせねえよ半分野郎!!!
1年A組も負けじとそれに続く。
轟焦凍
クラスの連中は当然として、思ったより避けられたな…
峰田実
轟のウラのウラをかいてやったぜ!
ざまあねえってんだ!
峰田実
くらえ!オイラの必殺....
その時、峰田が何かに押されて吹っ飛ばされた。
ロボ・インフェルノ
ターゲット...大量
緑谷出久
入試の仮装ヴィラン?!
プレゼントマイク
さあ、いきなり障害物だ!!
まずは手始め...
プレゼントマイク
第1関門、ロボ・インフェルノだ!!!
大量の巨体が行く手を阻んだ。
切島鋭児郎
入試ン時の0Pヴィランじゃねえか!!!
モブD
まじか、ヒーロー科あんなんと戦ったの?!
普通科の生徒がロボ相手に怯み始めた。
黒瀬 あなた
(確かに入試でこんな奴いた気もするなー....)
あなたも第1関門までたどり着いた。

入試の時の仮装ヴィラン....。
あなたは入試において、合格スレスレのラインで目立たないよう、適当に戦っていた。

そのため、このロボに関する記憶はうっすらとしか残っていない。
ロボは無作為に生徒たちに攻撃を仕掛ける。

ロボの高さは10m弱と言ったところか。
あなたは目の前のロボの頭部を目掛けて1発電磁気を打ち込む。

轟音を立ててロボの頭部を吹き飛ばし、即座にロボはダウンした。
黒瀬 あなた
(いい感じね)
あちこちでとんでもない音が聞こえるため、あなたはそんなに目立っていない。
プレゼントマイク
1年A組轟!!攻略と妨害を一度に!!
こいつぁシヴィー!!!
黒瀬 あなた
先を越されたか…でも私もすぐ追いついてやるから。
あなたが瞬間移動を使ってロボの群衆を抜け出そうとした時だった。
ロボ・インフェルノ
ガガ...ガガガ....
プレゼントマイク
おや??ロボインフェルノの様子がおかしいぞ?!
黒瀬 あなた
?!
その時、あちこちで無作為に攻撃を行っていたロボの動きが制止した。

そして...
ロボ・インフェルノ
コロ...ス...クロ...セ
競技場にいた全てのロボのヘイトがあなたに向いた。
モブD
え、なんかヤバくね?
モブC
でも今がチャンスじゃない?狙われてないうちに行こうよ!!
ロボの攻撃が止んだ今、生徒たちがどんどん走り去っていく。
プレゼントマイク
おいおい....なんの不具合だ?!一体どーなってんだ?!
プレゼントマイク
全ロボのヘイトが黒瀬あなたに向いたぞ!!!
ミッドナイト
ねえ、なんの不具合か知らないけど、流石に止めるべきじゃない?
あの数を1人で相手するのは厳しいんじゃ...
観客席からは歓声も上がれば、止めるべきだと非難の声も上がっている。


しかし、あなたは上手く個性を使いながらフィールド内を走り回っていた。

あなたの表情から焦りは感じられない。
相澤消太
...大丈夫だアイツなら。
相澤先生はモニターに写るあなたを見ている。


一体、誰が裏で手を引いているんだ。
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黒瀬 あなた
(行ったか...)
あなたは第1関門のフィールドにいる生徒が全員先に行くまで、何もせずに走り回っていた。
誰もいないことを確認し、あなたは立ち止まって後ろを振り向いた。


あなたに比べれば、ロボの動きは案外遅い。30mほど距離が空いた。
あなたは右手を前に出した。


コインがあれば威力は増すのだが、武器の持ち込みは禁止されてるため致し方ない。

それに...的は大きければ大きいほど当たりやすい。


一体、誰の策略かは知らないが今は悠長なことを考えている場合では無い。
大きく深呼吸をした。

中央のロボの胴体に狙いを定め、右手に電磁気を込める。
黒瀬 あなた
...死ね
あなたは指を弾いた。

体育館の壁を吹き飛ばした威力とは段違いな力で、前方のロボを全てダウンさせた。


続け様に、左右にも同様に思いっきり電磁気を飛ばす。






フィールド内のロボは一瞬にして全てダウンした。



やはりあなたの個性は対人向けでは無いらしい。

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