観測戦域:Vermilion
第二次太平洋戦争。
人類は再び、空を奪い合っていた。
主戦力はすべて有人戦闘機――
パイロットたちは己の腕と勘だけを頼りに、
機械より速く、死より早く、敵を撃ち落とす。
そんな中、ただ一機だけ、異質な存在があった。
情報戦機《ヴァーミリオン》。
人間の操縦入力に“従う”が、同時に独自の思考を持つAI搭載機。
パイロットは日本人・一矢。
彼をサポートするのは、冷静な戦術士官・エディ。
彼らの任務は、前線に出ることではない。
空戦を“観測”し、“分析”し、“記録”すること。
――だがある日、ヴァーミリオンは、
誰も予測できない行動をとり始める。
やがて戦場は、
人間の直感と、AIの論理が交わる“臨界点”へと至る。
ー 11,889文字
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update 2025/12/05