月明かりに照らされた君
「ねぇ、君。帰るとこないの?」
その日は、降り続いた雨のせいか、
濡れた地面には散った桜が貼りつき、
淡く色を残していた。
出会って5年
毎日のように、深夜に会い、
一緒に夜の渋谷を歩き、
腹をかかえ死ぬほど笑い合い、
日が昇る頃に別れ、
また次の日の深夜に会う。
そんな日々はとても楽しく幸せだった。
これからもずっと続くかと思っていたし、
続けたかった。
だけど、
ちょうど一年前。
「……バイバイ。」
その日から、遠い存在になってしまった。
だけど、どんなに思っても
何も感じなかった。
ただ、
触れれば消えてしまいそうなほど美しい
月明かりに照らされた君だけが頭に浮かぶ。
ー 994文字
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update 5時間前