朝8:00 家 手越side
俺はイライラしながら、こめかみを指で軽くマッサージした。
すると、そのマッサージが聞いたのか、ズキズキとした頭痛はピタリとおさまった
もう頭痛は起きないと思っていた。
だから、薬も飲まず、俺は外に飛び出した
だけど、こんな考えが外れるなんて、俺は思ってもなかったんだ…
移動車内
ズキズキ…ズキズキ
すると、少ししてまたピタリと頭痛は治まった
俺は何事もなかったかのように、さっきまでの違和感をなくして、ラジオのことに集中させた
ほら、こうやっていつも通り、やんちゃでポジティブな俺でいれば、大丈夫だろ!
こうして、俺はラジオ中、頭痛がすることもあったけど、いつもの俺でラジオの収録を無事終えることができた
ラジオ後
誤魔化さないでよ何が考え事だよ…
確かにあの時、こめかみを抑えて何かを考えているような仕草に見えた俺は、自分のサッカーチームについて考えているんだという手越の言い張りに、ほんとに考え事なんだって思ってた…でも、そんな演技も嘘だって思った…
「いたい」って、そんな言葉を呟いて顔をしかめていたんだから…もっと早く気づけば良かったのに…馬鹿だな俺
自分で隠して、すぐに得意の笑顔で相手をあんしんさせちゃうんだから、あいつは…
強い口調で俺に言って、手越は俺の前を通り過ぎていった手越はなんでも完璧にこなしちゃう…
どんな挑戦も、どんな無茶振りも、演技もバラエティーも歌も、そして自分のことも
そんなに気を張って大丈夫かな…
でもそんなことより
手越に怒られたことが何よりショック…
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!