手越side
ズキズキと痛む頭になにも出来なくて、俺は痛みに耐えながら、じっとみんなの帰りを待っていた
早く帰ってこないかなんてぼーっと待っていたら、なにかこみあげてくるような、そんな感覚が伝わった、喉につっかかって重たくて、気持ち悪くて………俺は口を抑えて、トイレに行ってはこうとおもったけど、間に合わなかった
それは椅子にかかったまっすーの服で…
あんなに服を大事にしているまっすーに、吐いちゃったなんていったら、まっすー許すわけない…
増田side
手越大丈夫かなー治ったー!なんてどこかにいってないかな(笑)
俺は打ち合わせ場所に戻ると、中からしくしくと泣く声が聞こえてきた
あれ?手越泣いてる??
最初はなぜ泣いているのか分からなかったが、俺が部屋のドアを開けるとツンと鼻を刺激するようなこの匂い…
手越side
増田さんは心配してくれている…
でも、服を汚した俺は、気持ち悪いって言えなくて…だって、また吐いたら汚すし、汚いし…
まだ込み上げる吐き気を俺はぐっと抑え、胃液の酸っぱさも我慢した…
服を汚した俺…
その罪悪感は消えず、俺は、またそれをつくらないように、我慢することしかなかった…
すみません少し飛ばします
加藤side
まっすーの服をみると少し汚れたのか、シミがついている…どうしたんだろ
俺が小山と一緒にいる間になにかあったのだろうか?
2人とも増田さんの近くに来る
コクリと頷いた手越はまっすーに支えられ、お疲れ様と言って先に楽屋を出ていった
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。