優太「じゃあ 、また明日な」
『うん !ばいば〜い !!』
扉を閉めて靴を脱ぐと 、聞こえるゲームの音 。
『ただいま』
廉「あぁ 、」
『あぁ 、じゃないでしょ』
廉「おかえり」
弟の廉 。
今日もテレビの前でゲーム 。
『そんなにやってると目悪くなるよ』
廉「大丈夫やって」
一時期関西の方にいたことがあって 、廉は関西弁が抜けないみたい 。
廉「それより 、そのぬいぐるみどうしたん ?」
『あ 、これ ?優太に取ってもらった !』
廉「へえ」
なによ 、聞いてきたくせに興味なさそうじゃん 。
『ちょっと待ってて 、すぐご飯作るから』
廉「大丈夫 、俺作っといたから」
『え ?』
テーブルを見ると 、綺麗に盛り付けられたおかず 。
『廉 、ありがとう』
廉「ん 、」
お風呂から出て 、部屋で今日のことを思い出す 。
平野くんのあの顔 、あの表情 。
私は絶対に見たことある 。
いつ ?
いつ見たの ??
考えているうちに 、眠りについた 。
「あなた ……… 」
『紫耀くん …… ?』
『はっ !』
思い出した 。
平野くんは 、私の彼氏だ 。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!