第27話

デアイ Ⅳ
864
2022/06/05 05:56
ストン!





的の真ん中に見事、矢が刺さる。
弓道部員
すげぇ...
弓道部員
さっきから真ん中を外してない...
ここは学校の弓道場。

この学校は、設備がものすごく良い。

剣道場や弓道場、柔道場、テニスコート、
サッカー場、野球場、卓球場、体育館が2つある。

まぁ、武道やスポーツの名門なんて言われてたら
そうなるわ。
弓道部員
お疲れ様です!!
弓道部員が挨拶したのは3年の先輩。

弓道部部長であり、主将。

真ん中を外すことなんて滅多にない。
夏目 彩葉
あ!千歳ー!
弓道場の外で、彩葉が俺の名前を呼んだ。
如月 千歳
何?サボり?
夏目 彩葉
違いますー!
夏目 彩葉
剣道部今、休憩だから。
如月 千歳
あっそ。
夏目 彩葉
「あっそ」って何よー!
「何よ」って何だよ。
如月 千歳
何しに来たんだよ。
夏目 彩葉
あ、そうそう!
夏目 彩葉
今日の夕飯、カレーがいい!
いや、「カレーがいい」って...
如月 千歳
俺はお前の母親じゃねぇ。
夏目 彩葉
えー。何でよ。お母さん。
如月 千歳
こんな馬鹿産んだ覚えはない。
夏目 彩葉
ば、馬鹿じゃないもん!
如月 千歳
ばーか。
夏目 彩葉
あー!ウザい!
いや、ウザいの彩葉だろ。
夏目 彩葉
いい?絶対カレーだからね?
如月 千歳
は?嫌...
夏目 彩葉
じゃーね!
彩葉はそう言って、部活に戻って行った。

























はぁ...



















カレー、作るか。





















─────────────────────────────────





















弓道部員
お疲れ様でした!!
部活が終わった。

俺は、着ていた道着を制服に着替えた後
忘れ物に気付き、弓道場に戻る。






ストン!





的の真ん中に見事、矢が刺さる。
如月 千歳
部長、まだやってたんすか?
部長
まあな。
部長はそう言って笑う。
部長
千歳は?
如月 千歳
忘れ物です。
部長
そうか。
そういえば、結先輩が剣道強いって彩葉が言ってた
けど、本当だろうか...

あの天然たらし先輩の顔からは想像出来ない。
部長
ん?急に黙り込んでどうした?
如月 千歳
あ、いや...
部長は結先輩と同じ3年だから、何か知ってるかも
しれない...
如月 千歳
剣道部で、凄く強いと噂されてる
先輩知りませんか?
部長
剣道部?
如月 千歳
はい。
俺がそう言うと、部長は首をかしげながら
考え始めた。
部長
その人の名前分かるか?
如月 千歳
あぁ、えっと...
如月 千歳
花江結です。
俺がそう言うと、部長の周りの時間が止まった
気がした。

どうしたんだろう。
部長
花江..結...?
如月 千歳
は、はい...
俺がそう言うと部長は、持っていた弓を急いで置いて、剣道場の方へ走って行ってしまった。

本当に、どうしたんだろう...


結先輩と知り合いなのか?

でも、そんな話聞いてないけど...




















何か変だ。



















どうしたんだよ...



















不破先輩。

プリ小説オーディオドラマ