第3話

《ときめき…2》
554
2023/01/29 10:39







あんなことがあった翌日




昨日のあの人が何者なのか調べてみたけど

やっぱりこの会社の人ではなくて

たまに出入りしてる業者の人だって分かった




(なまえ)
あなた
💭どうりで見たことない訳だ…





でも 何であの場所を知ってるんだろうって

また違う新しい疑問が残った





なるべく家に居たくなくて

勤務時間はなるべく遅く そして

極力休みを少なくしてもらっている






それでも勤務が終わってしまえば

家に帰らなくちゃいけないわけで…

今日もあの自動販売機の横 私の場所で

気持ち程度に時間を潰す





自動販売機の照明がついてるとはいえ

省エネ節電時代のご時世で 

ほとんど真っ暗に近いこの場所に

私が開くスマホの明かりだけがぼうっと光ってた





YG
YG
また居んのかよ……
(なまえ)
あなた
はっ!




もう会社も閉まる時間で業者の出入りもない時間

しかも たまにしか来ないって言ってた人が

2日連続で現れたことに また体が飛び跳ねた





(なまえ)
あなた
なっ、あ、あなたこそっ何でっ!?
YG
YG
俺はこの場所気に入ってんの
(なまえ)
あなた
わ、私だって…!







話し掛けてくるくせに目も合わせない彼は

ぶっきらぼうで面倒くさそうなのに

何故わざわざ私に突っかかってくるのか





昨日ときめいたのは何かの間違い

ちょっとときめくワードを言われただけ。

今目の前にいるこの人を見てたら腹が立ってきた




(なまえ)
あなた
もうっ、いいです!
私っ…帰るんで!!



一緒にいる意味もないし

ここに居るくらいなら別な場所で時間を潰そうかって

立ち上がってその場を後にしようとした





すると……




パシッと何かが私の腕を掴んだ




YG
YG
行くなっ……
(なまえ)
あなた
えっ……
YG
YG
わりぃ…ちょっとからかっただけだ…
YG
YG
だから…ここに、いろ…//






相変わらず目は合わせないのに

私の腕を掴んで照れてる風な彼…


なんなの?




(なまえ)
あなた
あのっ…
YG
YG
本当は…
ちょっと前からあんたのこと知ってた
(なまえ)
あなた
えっ…
YG
YG
いつも…ここにいんのが気になってた
(なまえ)
あなた
……




どういう意味?

気のせいだと思ったばかりなのに

また ドキドキしちゃうじゃない…





YG
YG
俺が愚痴でも何でも…話聞いてやるから
好きなだけここにいろ…
(なまえ)
あなた
っ……




って言われてもね……

見ず知らずの人に旦那の愚痴を言うのは

旦那に悪いとかそう言うんじゃなく

この人に申し訳ない気がする






だから取り敢えず黙ったまま

元の場所に また腰を下ろした







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