あんなことがあった翌日
昨日のあの人が何者なのか調べてみたけど
やっぱりこの会社の人ではなくて
たまに出入りしてる業者の人だって分かった
でも 何であの場所を知ってるんだろうって
また違う新しい疑問が残った
なるべく家に居たくなくて
勤務時間はなるべく遅く そして
極力休みを少なくしてもらっている
それでも勤務が終わってしまえば
家に帰らなくちゃいけないわけで…
今日もあの自動販売機の横 私の場所で
気持ち程度に時間を潰す
自動販売機の照明がついてるとはいえ
省エネ節電時代のご時世で
ほとんど真っ暗に近いこの場所に
私が開くスマホの明かりだけがぼうっと光ってた
もう会社も閉まる時間で業者の出入りもない時間
しかも たまにしか来ないって言ってた人が
2日連続で現れたことに また体が飛び跳ねた
話し掛けてくるくせに目も合わせない彼は
ぶっきらぼうで面倒くさそうなのに
何故わざわざ私に突っかかってくるのか
昨日ときめいたのは何かの間違い
ちょっとときめくワードを言われただけ。
今目の前にいるこの人を見てたら腹が立ってきた
一緒にいる意味もないし
ここに居るくらいなら別な場所で時間を潰そうかって
立ち上がってその場を後にしようとした
すると……
パシッと何かが私の腕を掴んだ
相変わらず目は合わせないのに
私の腕を掴んで照れてる風な彼…
なんなの?
どういう意味?
気のせいだと思ったばかりなのに
また ドキドキしちゃうじゃない…
って言われてもね……
見ず知らずの人に旦那の愚痴を言うのは
旦那に悪いとかそう言うんじゃなく
この人に申し訳ない気がする
だから取り敢えず黙ったまま
元の場所に また腰を下ろした
…
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。