第7話

無駄無駄七発
1,203
2022/05/01 14:54
あなた
あはっ、王将、あはは、他の店行こうか
ジョルノ・ジョバァーナ
(王将…?)
逃げ込むためにやって来たお店がまさか下着屋さんだなんて想像していなかった。完全に想定外だった。数あるお店の中から偶々ここ来ちゃうとか不運にも程がある。



慌てて体を回転させて後ろを向き、他のお店に逃げ込もうと歩み出そうとしたその時だった。肩を掴まれてそのまま静止させられてしまった。



誰だよ止めようとした奴は!と内心半ギレしながら振り返ると、私を止めたのはDIO様だった。
DIO
まあ良かろう、折角だからこのDIOがあなたの下着を見繕ってやる
ジョルノ・ジョバァーナ
ちょと待てちょと待てお父さん
あなた
流石に異性の大人に下着見繕われるのは…!!
DIO
良いじゃあないか、あなたが私の女である証になるぞ
ジョルノ・ジョバァーナ
ちょっと待ってくださいそれは聞き捨てなりませんね
何故かバチバチと睨み合う2人を前に、顔を真っ赤にした私が「は!?」と言ってキョドるとか言うカオス。もう何がどうなっているのか何も分からない()



しかし、2人はすぐに私の方を向いたかと思うと私の手を取り、ズカズカとお店に入って行った。う、嘘でしょ〜!?マジで入っちゃうの下着屋さん!?



DIO様がドアを乱暴に開け放った瞬間、店員さんの笑顔が消えた。そりゃそうだ、顔を真っ赤にした女性1人を引き摺り込んで男2人が凄い形相で入って来たらそうもなる。



ギョッとしている店員さんに「ご愁傷様です」と同情していると、2人はそれぞれ徐に下着を手に取って私に見せて来た。
ジョルノ・ジョバァーナ
あなた、このピンクのはどうでしょう?あなたの女性らしさや可愛げがよく表せると思いますよ
DIO
いいや、あなたには敢えて黒が良い。ピンクの下着なんぞ着なくてもあなたの可愛らしさは十分過ぎる程出ているのだから、この黒で大人らしさが出た方が更に魅力的だ
ジョルノ・ジョバァーナ
馬鹿なんですかパードレ!あなたからこれ以上セクシーさを出したら、大変なことになりますよ!
DIO
そうなる前にこのDIOが阻止するし、万が一あなたを襲うような輩が出て来たら殺すまでだ
あなた
あの、あの〜…!?
私が何も言えないでいるのを他所に2人はベラベラと互いの意見をぶつけ合っている。生放送の討論番組より白熱している気がして恐ろしいのなんのって。



しかも恥ずかしいにも程がある。可愛げだとか女性らしさだとかセクシーさだとか、大変なことになるだとか…全体的にわけが分からないよ!!



店員さん完全に引いてるし、入っただけ逆にダメだった!!余計に恥ずかしい気持ちを味わうだけだった!!完全に私の計算ミスだ!!
あなた
も〜〜〜分かった!!どっちも買う!これで良い!?
DIO
おお、買うのか!毎日身に付けるんだぞ?
あなた
毎日は流石に…()
そう引き気味に言ってレジに直行したが、横からジョルノが割り込んで「僕が払いますよ」と言ったため、結局私は一銭も支払わなかった。また買ってもらってしまった…。

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