なんでだろうか…
ただの友達なのに…
なんで…
あいつを見ると…胸の当たりが苦しくなるんや…
…あいつは…俺のただの友達だってのに…
ドキッ…
…だめや…長尾のことを思うと…ドキドキする…
この気持ち…いったいなんなんよ…
苦しい…胸の当たりが…
これって…まさに…恋ってやつなんかな…
…そんなわけないか…
長尾は男やで?
俺が男を好きになるわけ…
ーお昼
…なんでありがとうなんて…俺の柄でもない…
なんや…今の…
いきなり長尾の態度が変わった…
さっきまではなにかビクビクしてたように見えたのに…
今となっては…あのことが嘘みたいや…
嘘や…絶対に嘘や…
体育の時間…授業が始まってるのに長尾が来ないから心配して来てみれば…
まだそのとき…服を脱いでなかった…
『10秒以内に脱がなかったら俺が脱がす』とかいうたけど…
長尾は10秒経ってもワイシャツのボタンを外してただけだった
俺が脱がそうと思ったけど、
長尾に突き飛ばされた
…ああいう感じなんやから…
バタン…
やっぱり…予想的中や…
…俺がこんなに長尾のことを思ってる…
なぜだろうと思ってたけど、
…やっと自分に確信がついた
近々、学校主催のパーティーがあるはずや
その時、長尾に何があっても本当のことを話してもらおう
そして、家でなにかあったこと
虐待を受けているだろうから、父さんに協力してもらって、
長尾の家に逮捕状を送ってもらって、長尾の両親を逮捕させる
そうしたら…長尾も普通に感情を取り戻すことができるはずや…
あんな状態…絶対に何かしら感情を失ってるはず…
…待っててな…長尾…
俺が長尾の絶望を…消してやるから…
だって…俺は長尾のことが好きだから…
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。