……
私は……、、
ヒョンジンさんの熱い想いを選ぶ事はなく
こうして、愛しい恋人……
フィリックスさんの元へと、、
帰ってきた……。。
……
たった1泊2日の間でも、こうして離れると
いつもより寂しくて、、
早く、あなたに逢いたくて……触れたくて……
仕方なかった……。。
私とフィリックスさん、
そしてヒョンジンさんも、
リビングから離れ、
フィリックスさんの部屋へと来ていた。
……
えっ……!?
どうしよ……
今それ聞きますかフィリックスさん!?
何もなかったなんて……
そんな……嘘……言えない。。
……
あわあわしてしまい、明らかに動揺していると
……
ヒョンジンさんは……
私に手を出しそうに、いや、少し出してしまった事
感情的になり、私をホテルから追い出してしまい
車で探し回った事など……
全てを…………洗いざらい…………話した。。。
ヒョンジンさんの話を聞き終えたフィリックスさんが
私の方に向き直り、
何か言うのかと思ったら
私の上半身の服を、思い切り脱がしてきた…………!!
あまりに乱暴なフィリックスさんに、
恐怖で泣き出してしまう。。
……絶対、、怒ってる……。。
だけど……私は……
ヒョンジンさんが……
まるで……あの時みたいに……
フィリックスさんの胸ぐらを掴んだ。。
フィリックスさんは……
ゆっくり、、私に服を着させてくれる。。
……もう、、怒ってない……?
……パタン。。。
全て話してしまった事を
ヒョンジンさんは申し訳なさそうにしていた。。
でも…………
キスマークの事は……
言わなくても、きっと、その内分かる……こと。。
私も……隙を与えて、
ヒョンジンさんを暴走させてしまった……。。
責任は……私にもある……。。
これ以上……迷惑かけられない……、、。
私は、無理矢理……笑顔を保ったまま、
ヒョンジンさんとフィリックスさんの部屋を出て
お互いの部屋へと戻る事にした。。
……
カチャッ。。
私は、思い切り、ポガリさんを抱き締めた。
愛おしいポガリさんの頭を
よしよしと撫でる。。
……心臓が……ドクンッ!!と、跳ねる様な感覚がした。。
…………ま、、まさか…………
……いや、、、考えたくも、ない……
あの女性と……また……なんて……
……ヒョンジンさんのお陰で
早く帰ってきて、、
フィリックスさんにも、早く……会えたのに……
私達……どうしていつも
すれ違ってばかりなの…………?
……フィリックスさんは、
私とじゃなくて、
あの……綺麗な人……確か、ツウィさん……
その人と……一緒の方が……
幸せ……なのかな。。
でも……今、まさに、
会いに行ってるかもしれないと……
女の勘が……嫌でも働く。。
バッグから……スマホを取り出す。。
〜♪
……プツッ。。
未だ慣れないこのスマホで……
必死に文章を作る。。
……
私は…………いつもより重たく感じるこの機械の
送信ボタンを…………タップした…………。。。
……
…………これで、いいんだ。。
私は、、お風呂に入ったあと
恐る恐るスマホを確認するが
既読もつかず、返事もない冷めたスマホを
布団に投げ捨てた……。。
……
…………
なかなか寝付けず
リビングの方へ行くと、
先程の……騒がしかった景色や笑顔はなく……
シーン……と静まり返っていた。
私は……フィリックスさんが作ったブラウニーを
ひとくち……またひとくちと……口に運ぶ。。
初めてのブラウニーは、、
優しくて、ほんのりと甘い味……
……
すごく、、すごくすごく美味しいよ……
フィリックスさん。。
でも……なんでだろう……。。
しょっぱい味が……するの……。。。
こんなに、甘くて、濃厚な味が……
変……ですよね……。。。
……
私は……、、気が狂ったように
その後もブラウニーをひたすら口に運び
ついには、吐きそうになるまで
こんな……見るに堪えない、、
ひたすら両手で掴んでは
次から次へと、胃に流し込んだ。。。
……
…………
泣きながら……我を忘れて……
沢山のブラウニーを口にしてしまった。。
……私は……そのままトイレへと駆け込み
悲しみと一緒に、吐き出してしまう。。。
……なに……やってるんだろう。。
こんな……意味のない事して……。。
だけど…………止まらなかった…………。
苦しくても……
涙が……止まらなくても……
空っぽになってしまった心を
何かで……埋めたくて、、
…………
何もかも……疲れ果てた私は……
ようやく、自室へと戻った。。
止まらない涙を流しながら……
ずっと……
ずっと…………
あなたがくれた……初めてのプレゼント、
ポガリさんを抱き締めていた。。。
……
瞼の裏に……焼き付いている、
……フィリックスさんの笑顔を……思い浮かべ、
嬉しかった贈り物の言葉達を……思い出して……
それでも……まだ……心が、、脳が、、傷んだ。。
……私は……夜が明けるのを怯えていた。。
……しかし……
虚しくも、
……夜が
終わろうとしていた。。。
【続く】
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。