大好きな2人が、一緒にいられる事を……
素直に喜んで……祝福したいのに。
子供みたいに、駄々をこねたくなってしまう。
「嫌」なんじゃないんだ。
……………やっぱり少し………
「さみしい」……………んだ。
僕たちは……最後にはもう、ふざけ半分で……
好き勝手に言いたい事を叫んで
大笑いしながら……何とか……2人で、
自分たちの心から、うまく切り離せない
この、「さみしい」気持ちを………
かき消そうとしていたんだ。
………こうなると、僕たちは、強い。
ルール無用の突撃作戦だ。
やってみてダメなら……その時は………
その時考えれば、いいでしょ?
テヒョンイ兄さんは、
優しく微笑んで……僕の頭を撫でてくれた。
2人で、パチン、とハイタッチをして……
笑いながら、着替えて………
外に飛び出していく。
僕の胸にぽっかり開いた
「さみしい」の穴ぼこたちは………
テヒョンイ兄さんの言葉と笑顔で
満たされて埋まっていく。
テヒョンイ兄さんの「さみしい」も……
同じように……埋められてると、良いな……。
シュガ兄さんの家に着いて……
2人で、どっちがインターホンを押すのかで
エントランスで、軽く揉めた後に……
結局は、2人で同時に押して……
罪悪感を共有する事に決めた。
インターホンの音が、恐ろしく、響くなか……
2人でモニターの先を見つめて………
緊張しながら、その時を……………待つ。
テヒョンイ兄さんと、突撃作戦を決行して……
シュガ兄さんの家で、
4人で、飲んで、笑って……過ごしたこの夜が
最高の時間だった事は……言うまでもない。
聞きたい事を聞いて、言いたい事を言って……
ラブラブな2人を、適度に、困らせて………
「今度は、7人でココに集合ね!」
と、………酔って何度もそう言う
テヒョンイ兄さんの言葉に
嫌がりながらも、「分かった分かった」と答える
はにかみ笑顔のシュガ兄さんと……
そんな僕たちを見ながら、優しく笑う
ジミニ兄さん。
そして……そんな事も聞いちゃうの?ってくらいに
2人にグイグイ質問して、聞き出して……
満足げな笑顔の、テヒョンイ兄さん。
愛しいものが詰まった、幸せな時間だった。
僕も……もし、好き人ができたら……
こうやって、笑って………
好きな人と一緒に……そして、
大好きな兄弟たちも一緒に……
幸せな時間を、過ごしたいな。
これからもずっと……こうやって……
みんなで………
……幸せなこと、だけじゃなくて。
苦しいことも、辛いことも……色々なことを……
分かち合っていきたい。
Fin.
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。