第3話

3話 彼の正体
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2023/03/02 15:00
へちゃん.
へちゃん.
何してんの?バレてるよ?笑







誰?と思いながらすぐに振り返ると、やはりそこには強敵、イ・ヘチャンがいた。

焦って何も言葉が出ない。

だが彼は、そんな私から一向に目を離さず、楽しんでいる様子だった。



でも間近で見る彼は、ジュリの言っていたようにものすごく瞳が潤っていて、まあ確かにかっこいいかもと納得してしまう美貌だった。

あんまり認めたくはないけど。







そして、彼はニコッと意味深な笑みを浮かべて壁にもたれ掛かる。
へちゃん.
へちゃん.
にしても君足速いね〜、追いつこうにも追いつけなかったよ
へちゃん.
へちゃん.
それに、止まれって何回も言ったのに止まらなかったし?




へちゃん.
へちゃん.
ねえ、何であの時逃げたの?





また彼は、顔を近づけて言う。

からかわれてるのかわかんないけどその笑みは何!?なんなのこいつ!


(なまえ)
あなた
いや、逃げるも何も…私は委員会の仕事してただけ!
(なまえ)
あなた
あんなところでキスなんてされたら誰でも驚くでしょ!?




何でこんなことになるのか疑問でしかないけど、正直な私は何も悪くない。

そういえば、持ってた本もどこにやったか忘れちゃったし…

こんな正論を言ったのにも関わらず、彼は微動だにせずまた微笑む。

そして、こう言った。




へちゃん.
へちゃん.
まさか…初めてそういう現場を見たから逃げた、なんてことないよね?






(なまえ)
あなた
い、いや〜、ね!そんなわけ…



私は彼を両手で押しながら言った。





やばいやばい、バ、バレてる…?

もういいから、お願いだから早く終わらせて帰りたい…
(なまえ)
あなた
…あっ!そうだ、私これから委員会の用事があって!
(なまえ)
あなた
じゃ、お先に…


と席を立とうとすると___












へちゃん.
へちゃん.
どこ行くんだよ



そう言いながら肩を押され、また椅子に座り直されてしまった。

どうしよう、、と焦る私を見て、また彼はふっと鼻で笑う。




へちゃん.
へちゃん.
そういや君、うちのクラスのあなたの名字あなたでしょ?
へちゃん.
へちゃん.
近くで見たらめっちゃ綺麗な顔してるね?
へちゃん.
へちゃん.
めっちゃ俺のタイプなんだけど







一瞬にして、彼の顔はガラッと豹変した。
まるで漢になったような…そんな顔。
すぐに私は危険を察知した…が、もうその時には遅かったみたいだ。












へちゃん.
へちゃん.
今から、してみる?














見下ろすように私を見つめながら、降りてくる手。

その手は肩を通って手に行き、次第には太ももの当たりまで行こうとした。

が、ビックリしたのと同時に、私はその手を思いっきり振り払う。





(なまえ)
あなた
…このド変態!!













自分でも驚く声量でそう言い、彼を思いっきり押して私はその場から走り去った__




















次の日。
(なまえ)
あなた
が、学校行きたくない…




結局あの後は委員会の仕事もせず逃げ去るように家に帰った為、今日は担当の先生に怒られるかもしれない。

うちの委員会の担当は怖くて有名だから。


それにあいつの事もあるし…









(なまえ)
あなた
あー…いってきます…

結局休む訳にはいかなかったから、重い足取りを動かしながらも、学校までの道を歩いた。
















3話 彼の正体 END

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