誰?と思いながらすぐに振り返ると、やはりそこには強敵、イ・ヘチャンがいた。
焦って何も言葉が出ない。
だが彼は、そんな私から一向に目を離さず、楽しんでいる様子だった。
でも間近で見る彼は、ジュリの言っていたようにものすごく瞳が潤っていて、まあ確かにかっこいいかもと納得してしまう美貌だった。
あんまり認めたくはないけど。
そして、彼はニコッと意味深な笑みを浮かべて壁にもたれ掛かる。
また彼は、顔を近づけて言う。
からかわれてるのかわかんないけどその笑みは何!?なんなのこいつ!
何でこんなことになるのか疑問でしかないけど、正直な私は何も悪くない。
そういえば、持ってた本もどこにやったか忘れちゃったし…
こんな正論を言ったのにも関わらず、彼は微動だにせずまた微笑む。
そして、こう言った。
私は彼を両手で押しながら言った。
やばいやばい、バ、バレてる…?
もういいから、お願いだから早く終わらせて帰りたい…
と席を立とうとすると___
そう言いながら肩を押され、また椅子に座り直されてしまった。
どうしよう、、と焦る私を見て、また彼はふっと鼻で笑う。
一瞬にして、彼の顔はガラッと豹変した。
まるで漢になったような…そんな顔。
すぐに私は危険を察知した…が、もうその時には遅かったみたいだ。
見下ろすように私を見つめながら、降りてくる手。
その手は肩を通って手に行き、次第には太ももの当たりまで行こうとした。
が、ビックリしたのと同時に、私はその手を思いっきり振り払う。
自分でも驚く声量でそう言い、彼を思いっきり押して私はその場から走り去った__
次の日。
結局あの後は委員会の仕事もせず逃げ去るように家に帰った為、今日は担当の先生に怒られるかもしれない。
うちの委員会の担当は怖くて有名だから。
それにあいつの事もあるし…
結局休む訳にはいかなかったから、重い足取りを動かしながらも、学校までの道を歩いた。
3話 彼の正体 END
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1つ1つモチベにしていい物語にしていきます!︎👍🏻
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。