てつや「もうお前ら何か嫌いだー!!!東海オンエアのリーダー止めてやる!!!!!」
スタジオを飛び出し、自宅へと俺は走る
なんで俺ばっか苛められねぇといけねぇの!?
それで俺が少し怒ったら短気だのこんなんで怒るのかだの言われなきゃいけないん!?
くそぉアイツら俺のこと下に見やがって!!!
自宅のドアを乱暴に開けて閉め、そのままの格好でベッドに沈む
てつや「明日の撮影絶対行かないでアイツら困らせてやる」
俺がいなきゃ所詮なんも出来ねぇんだよお前ら
......多分
何のする気力もなかったので強引に目を閉じた
てつや『あーあ、いっそ俺のことを労って大切にしてくれるやつと東海オンエアやれば良かったかなぁ...』
アイツらなんかもう知らん!!と言った感じで俺は拗ねる
てつや『にしても暇だ...はぁ、何でも良いから漫画みたいなスリルある面白い急展開とか起きないもんかね...』
『..や』
誰?
『.つやっ』
何だ?何言ってんだ?
『てつや』
俺の名前呼んでんのか...
暗闇の中、ボーッとする意識で俺は頭から落ちてる
ゆっくりゆっくり落ちていく
夢、だよな...?
『てつや』
また俺の名前を誰が呼んだ
すると目の前に、俺と同じように落ちていってるやつがいた
は?誰だ?
アイツらじゃない
虚ろな目で、うっすら見たソイツの顔は...
俺だった
てつや『俺......?』
手を出され、俺も無意識に手を出す
俺に似たソイツの手と俺の手が合わさったその瞬間
手に熱さが籠る
てつや『何だ...手が』
しばらくして、お互いに手が離れ、離された俺の手を見るとオレンジの光に包まれている
え?かめはめ波出る?まさか
俺たちは尚も落ち続ける
てつや『なぁ、お前...』
『後は...』
頼んだ
てつや『へっ?』
一気に俺の意識が浮上する暗闇の中にいたのに、光が迸る
てつや「はっ、」
目を覚ましたのか、起き上がって辺りを見る
草原、草原草原草原
俺の部屋じゃねぇ...
てつや「...どゆこと?」
夢なら覚めてほしいんだけど!?
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!