『はぁ、はぁ...よし、時間はかかったが、力は貯まった...だけど、この力を使えば俺は......』
脳裏に浮かべるは、大切な仲間たち
もう二度と会えない...会うわけにはいかない
『...構わない、アイツらさえ...無事ならば、国を任せられる、俺よりみんな、しっかりしてるしな...』
意識が徐々に薄れていく中、壁に背をつけズルズルと座り込む
呼吸が荒い、汗も流れている
『この力で、せめてものアイツらへの償いとして、世界を救う...』
手には全力を集中させる
もう意識は保てない
『頼む、お願いだ...お前にしか出来ない、俺はもう、ダメなんだ...』
ふっ、と瞼を閉じる
『...巻き込んですまない、こんなこと、お前にしか頼めないんだ』
貯まり終わった力を一気に解放させる
一面に光が放たれる
『ごめんな、無責任で...気がかりなのは、お前らと最後まで、いれなかったことかな?』
光が消え、ついに意識が飲まれた
暗がりに、倒れ込んで...次に目が覚めたときは自我がないだろう
だからこそ、お前に全てを託す
どうかこの世界を救ってくれ
『てつや』
てつや「はっ?」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。