第91話

アンセムIF 前へ前へ
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2024/04/08 09:31


あなた「理事長の狙いは松村と京本ですよね?」


八掛やつがけの言葉に、彼女の表情筋がぴくりと僅かに動いた。


理事長「…狙い?」

あなた「この言葉が合ってるかわからないけど、贔屓にしてる彼らの同好会予算を増やしてあげたい。

でも理事長とはいえ、大きな動きをするとさすがに…だから彼らが分かりそうな謎解きの内容を企画して、学友会に指示した。

『謎そのものに接触する』は、ここで理事長に声をかける、が正解のトリガー。

それに、ミスターの北斗、そして私とのデートを景品にしたら、みんな庇って参加すると思ったとか?…それは考えすぎかな。」

理事長「…なるほど?」

あなた「あれ?大体、合ってますか?」

理事長「あっぱれね!」


もう何も隠すものはないと言ったように、彼女は帽子や伊達メガネを取った。

それそれは満足そうな微笑みを浮かべ、言葉を続ける。


理事長「彼らと関わり合いになりたいわけじゃない。
でもこんなに胸をときめかせる対象久しぶりで、つい個人的感情が動いちゃったわ。」

あなた「大学のトップすらも魅了するなんて…。私もさすがに驚きましたよ。」

理事長「魅力的よねぇ!あっところで、私からあなたに聞いてもいいかしら」

あなた「ええ、どうぞ?」

理事長「どうしてお友達たちも出し抜いてまで、一人勝ちしたかったのかしら?」


理事長の問いを受けて八掛は吹き出した。

先ほどまでの自信に満ちた微笑みや、余裕な微笑みとは違う。
どこか困ったように片眉を下げ、照れ笑いを浮かべている。


あなた「うーん。







…ミスターが私以外の人とデートするとか、私、許せないんですよねえ」

理事長「あら。」

あなた「内緒ですよ。」


二人、人差し指を立てて微笑み合った。












階段下の壁向こうの六人は出るに出れず、座り込み小声で囁きあっていた。


ジェシー「あなた健気〜!」

樹「俺が一人勝ちしてあなたとデートすれば良かったじゃん」

慎太郎「まああなたが知らないやつとデートされなくて良かったわ」

髙地「てか俺ら惜しかったよね」

京本「ほんとだよ途中まで合ってたもん」

北斗「…。」

五人(北斗うれしそ〜だなwwwww)



そして、謎解きゲームの終了を告げる学内放送が流れた。

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