第92話

アンセムIF Take it to the top
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2024/04/09 13:40
※松村さんと八掛さんの絡み多めです










樹「あなた!」

あなた「あ、やば」

理事長「私はもう行くわ。学友会に景品獲得者はあなただって伝えておく、それじゃあね」

あなた「はい、ありがとうございました。」


八掛やつがけと別行動になっていた六人がこちらへやってきた。

理事長は、そんな彼らを一瞥し微笑むとさらりと去って行った。


ジェシー「あなた〜!」

あなた「あは、ごめん〜」

樹「抜け駆けして〜!」

慎太郎「ほんとだよ!おれらなぁ?」

髙地「こいつらの更衣室で右往左往してw」

樹「滑稽だったねw」

あなた「えへへ、ごめんね」

京本「ねぇ、あなた、北斗とデートするの?」


誰しも言葉にすることを避けていたところに、ついに京本がぶっ込んだ。


ニヤニヤ嬉しそうな髙地、京本。

笑ってるけどちょっと心配そうな森本、田中、ジェシー。

そして、気まずそうな松村と八掛…。


髙地「とりあえず、そろそろがっこ閉まるし荷物とって行こうか」

樹「だね、いこっか」

あなた「北斗、私とデートどう?」

北斗「えっ?あ〜どう、と言われましても」


七人での帰り道。
大学から駅までの道は、バスが出てるくらいだからそこそこ長い。
それなのに彼らは、よくダラダラ話しながら歩いていた。

人気のない住宅街を、松村と八掛の二人が話せるように気遣いつつ歩く五人。

そして、話しつつも二人の話に耳を傾ける五人。


あなた「嫌なの?」

北斗「嫌とかじゃなくて」

あなた「あの、ずっと」

北斗「待って、何言おうとしてる?」

あなた「えっとー、北斗に好きって言おうとしてる」

北斗「…ええ。てか言っちゃってる!」

あなた「嫌だった?」

北斗「嫌なわけないじゃない。」

あなた「そっか!」←嬉しいのかニコニコに

北斗(かわいいな)

あなた「えーと」

北斗「ちょっと、」

あなた「?、」


五人が、こちらを見ていないことを確認し、

松村は八掛に唇を重ねた。


北斗「俺も、ずっと好きだった。」

あなた「び…っくりしたよ」

北斗「デートなんていつでもできるし、予算増やしちゃう?同好会の?」

京本「…まじ?!やったー!!!」

樹「こら!きょも!聞き耳立ててたのバレちゃうでしょ!」

ジェシー「HAHAHAHA」

慎太郎「いやー青春だな」

髙地「可哀想だから知らんぷりしてやれよ〜」

北斗「おまえらほんとさぁ!!!」


ぷんぷん怒る松村に対し、嬉しそうな他六人。

七人歩いて帰る道を、夕日が微笑ましそうに照らしていた。
いつも通りの帰り道。
私達はあと何回、当たり前のようにここを通れるのかな。

いつか消えてしまう普通と日常、

わかってる、ここはいつか消えてしまう、溶けてしまう魔法の日々だってこと。
ちゃんとわかってるから、眩しくてしょうがない。

でも大丈夫だよね。
今この瞬間があるから、今がいつか過去になっても
魔法がいつか溶けたとしても

きっと笑ってられる気がするんだ。







アンセムIF編 了
アンセムのメイキングで、学生はわかりやすく頑張ってるものの象徴?、みたいなこと言ってたので
青春群像劇っぽいものにしました!

途中3チームに分かれるところはユニットのコンビにしてみた、気づいた人いるかな

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