帝王切開にするか,自然分娩か。
何度も何度も話し合った
最後の検診を終え,家に帰ったももに質問する。
小さな夏都を抱っこした南。
夏都が生まれてわずか半年後,twiceに天使がもう1人増えようとしていた。
あれから2週間
))わ、わかりました…。落ち着いて…964号室ですよ!
陣痛が来ればCTGが上がる
陣痛が来ているのが一目で分かる機械だ。
))内診してみよっかー!子宮口開いてるかな、、
手を強く握る南。
))5センチだねー!痛くない??
))珍しいタイプだ!笑 痛くなったらナースコールしてね!
))それと…皆さん。平井さんが痛そうにしだしたらすぐに言ってください。
))名井さんと違って継続的な陣痛ではなく突発的なものだと思います。平井さんは骨盤が狭いです。お産が難しく進む可能性が高いので厳重注意で。
助産師の言う通り,ももの陣痛は急に強くなった
子宮口は8cm。
進みが早くなってからはずっと8センチのまま。
助産師の顔色が変わった。
))平井さん!まだいきまないで!!
陣痛が始まって一日半が経っていた。
やっと子宮口が全開。
あまりの痛さに日本語になってしまう。
南がそうだった為,緊急時に備え、南,紗夏が立ち会うことに。
2人が見守る中,分娩室で闘うもも。
ももの額は汗が垂れていた。
))平井さん!次の陣痛でいきんでいいからね!
ももは何故か首を振っている。
下に力を入れようとすると出てくる感覚。
それが不快に感じていた。
ももに届くよう,耳元で南が話しかける
))さぁ……っ!ママ頑張ってよー!
顔をくしゃっとして目を思いっきりつぶる。
))平井さーん!目開けてね!しっかり呼吸しよう!
いきんで…呼吸しての繰り返し,
やっと。やっと頭が見えてきた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!