朝の時間、突然先生はそう切り出した。
さて、どんな子が来るだろう?
確かナナコちゃんのグループが、女の子を見かけたって言ってたよね。
友達になれるといいな!
名前を呼ばれて振り返る。
斜め後ろには美香がいる。
学級委員を推薦された優等生だけど、面白い子。
私の親友。
もう1人の親友はプリ画像で知り合って、奈良に住んでる通称ユズリン。
2回、近所の商店街で会ったことがある。
苗字だけではピンとこなかった。
けど、1つに縛りあげても、まだくねくねしている髪を見て分かった。
みんなの視線が痛い。
けど他の誰でもない、あのユズリンがそこに立っていた。
多分、美香も後ろで絶句しているだろう。
ユズリンは明らかにこっちを見て笑った。
ユズリンは、私の前にきた。
先生がしばらく話をする。
その合間に小声で声をかけるけど、聞こえてないのかユズリンは全く無視。
そう言って先生は教室を出た。
もちろん転入生のユズリンの机には、自然に人だかりが出来た。
このまま黙って廊下を歩き、トイレまでついた。
ユズリンは、思わず殴りたくなるような笑顔で言うのだった。
私達3人は奇跡の親友だ。
私とユズリンはプリ小説で知り合い、
私と美香はただのクラスメートだった。
ところがユズリンが旅行でこっちに来てピンチに巻き込まれ
3人は出会った…訳ではなく、
美香がプリ画像を始めたのがきっかけで3人は仲良くなり、
6ヶ月後に3人は出会った。
プリ画像とプリ小説が繋いだ、奇跡の親友なのだ。
(詳しくは「プリ小説 つづるのは私」を読んでください!!)
そうか。
私はもとからこの学校にいるけど、
よそ者が見たらこの学校は相当厳しいらしい。
早速これから家庭科があるけど、ユズリンなら大丈夫だよね!
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。