≫ミンミンミンミン≪
うるさいな...
蝉が鳴き出す季節になって早数週間。
夏休みに入った。
未だ太陽には返事をしていない。
先生のことも。吹っ切れきれてはいない。
♪ ピコンッ
お祭り...!
去年大雨で散々なことになったし...。楽しみ。
- - - - 当日 - - - -
『お母さん!浴衣変じゃない?』
“ 変じゃないわよ笑 ほら、気をつけて行ってらっしゃい ”
『はーい!』
歩きにくい感覚。無意識に狭くなる歩幅。
すきだな。浴衣って。
『おーい!ゆりちゃん!太陽!』
「浴衣だー!かわいいよー笑 ね?太陽。」
“ お、おう。 ”
『ゆりちゃん...浴衣だと思ったのに...』
「動きにくいの嫌いだし笑 今までもそうだったでしょ」
『そっ...か。』
私だけ気合入れてきたみたいで。なんか恥ずかしい、笑
「まあいいじゃん?いこー!」
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!