「ねね、今日はなにするの?なんも聞いてないよ〜泣」
《買い物着いてきてほしかったんや、一人やと選べないからな♪》
神ちゃんが私を頼りにしてくれてる。
それだけでも嬉しかった。
「おけ!何買うの?」
二人は、まるでカップルのように楽しい時間を過ごした。
買い物を終え、私達は人けの少ない場所にいた。
《今日、ありがとうな、おかげで沢山買えたで♪》
「いーえ、よかったぁww」
《これ、お礼♪》
と神ちゃんから渡された。
中身を見てみると、私が買い物中に可愛いと言っていたものだった。
「え?なんで?」
私は少し涙目だった。
《なんで涙目やねん、なんもしてへんで?今日はありがとうな、ホンマに…実はな、俺…》
と神ちゃんは語り始めた。
《俺、今趣味で作詞作曲してんねん、それでな、なかなかいい歌詞が見つからなくて、今日お前誘っていろいろな事が浮かんできた、ホンマありがとぅな♪》
「いい歌詞書けそう?」
《うん、出来たらあなたに聞かせるから楽しみにしとけよ!》
「うん、楽しみにしてる!!」
《あ、そうや!》
と神ちゃんがケータイを出した。
《今日の思い出に写真撮ろうや!》
「え?ここで?(笑)」
《ええからはよ!》
と二人は写真を撮った。
そして、私たちのお出かけが終わった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!