藤枝の中に挿れようとする。
入るか入らないかの所で少し動かして焦らした。
トロトロな顔で、俺にそう言う藤枝。
俺の体は無意識に藤枝の奥まで突いていた。
しょうがないでしょ。
こんな可愛い顔見せられたら激しくしちゃうよ。
その顔を俺だけに向けて欲しい、これからも俺だけに見せて欲しいと思った。
俺のを藤枝から抜いた。
藤枝はどこかもどかしそうな顔で見詰める。
冷静を保ってるようだけど、もう既に藤枝は呂律が回ってなかった。
俺はもう一度藤枝の中に挿れる。
さっきよりも深く、深く。
ある一点をつつくと、藤枝の全身がビクッとした。
二人同時に果てた。
数秒間、沈黙が続く。藤枝を見るとまだ体がピクピクしていた。
…ん?よくよく考えたら俺、藤枝とヤった!?
ようやく状況を理解できた。
うわ、最悪じゃん。あとのこと考えて行動すればよかった。
この際だし、もう言っちゃおう。
藤枝が俺の口を両手で抑えた。
さっきの乱れていた藤枝とは別人のような、真剣な眼差しで。
はじめて名前で呼ばれた。
名前で呼ばれたのと、好きという言葉を聞いて俺の胸がなぜか痛くなった。
いい意味で痛くなったんだと思う。
俺は藤枝を抱き締めた。
そう言ってじんたんは、幸せそうな笑顔で微笑んだ。
この笑顔をずっと守りたいと思った。
ねえじんたん、今までもこれからも
俺はじんたんを愛し続けるね。
大好きだよ、じんたん
〜 end 〜
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。