第62話

真実と黒
608
2024/05/10 03:00
セラフ・ダズルガーデン
セラフ・ダズルガーデン
俺、ヘスティアに会ったことがあるんだよね
悲しく笑った後セラフは順を追って説明し始める
セラフ・ダズルガーデン
セラフ・ダズルガーデン
暗殺者時代、偶然ね
セラフ・ダズルガーデン
セラフ・ダズルガーデン
ヘスティアは言ってたよ
『別人格といっても記憶が彼女とは共有されなくなっているだけ』
『私も彼女の幼少期以降の思い出は知らないから』
セラフ・ダズルガーデン
セラフ・ダズルガーデン
俺も一回会っただけでそこからは知らない
セラフ・ダズルガーデン
セラフ・ダズルガーデン
けど4月1日
セラフ・ダズルガーデン
セラフ・ダズルガーデン
ヘスティアが現れた
四季凪アキラ
四季凪アキラ
まさか...
セラフ・ダズルガーデン
セラフ・ダズルガーデン
ヘスティアは彼女が名乗っているだけ
セラフ・ダズルガーデン
セラフ・ダズルガーデン
人々の認識には片桐あなたの下の名前しか存在しない
ここに来て知る真実に皆が驚きを隠せない
セラフ・ダズルガーデン
セラフ・ダズルガーデン
ヘスティアはあなたの下の名前だ
セラフ・ダズルガーデン
セラフ・ダズルガーデン
性格も本来はあなたの下の名前そのものだったはずなのに
セラフ・ダズルガーデン
セラフ・ダズルガーデン
暗殺に手を染めることになって心が壊れていったんだろうね
セラフ・ダズルガーデン
セラフ・ダズルガーデン
その後あなたの下の名前は暗殺業界の支配から離反したからヘスティアの精神年齢は止まったまま
風来奏斗
風来奏斗
じゃあ今のあなたの下の名前は
セラフ・ダズルガーデン
セラフ・ダズルガーデン
暗殺者時代のヘスティア
先斗寧
先斗寧
記憶喪失じゃない?
セラフ・ダズルガーデン
セラフ・ダズルガーデン
きっとね
ひとしきり説明し終わるとセラフは重苦しく息を吐いた
場に沈黙が流れる
海妹四葉
海妹四葉
じゃあ
海妹四葉
海妹四葉
あなたの下の名前の人格に戻せばいいんじゃない?
一同
四季凪アキラ
四季凪アキラ
それは...
鏑木ろこ
鏑木ろこ
難しいかもしれないけどそれしかできないんじゃない?
現状それしかないのはこの場にいる全員が気づいている
ただそれができるのは事情を知るセラフだけ
全員の視線がセラフに向く
セラフ・ダズルガーデン
セラフ・ダズルガーデン
やる
四季凪アキラ
四季凪アキラ
先斗寧
先斗寧
セラフ・ダズルガーデン
セラフ・ダズルガーデン
うじうじしても仕方ない
セラフ・ダズルガーデン
セラフ・ダズルガーデン
それに俺やらなきゃいけないことあるから
天ヶ瀬むゆ
天ヶ瀬むゆ
やらなきゃいけないこと?
セラフ・ダズルガーデン
セラフ・ダズルガーデン
あと一週間
セラフ・ダズルガーデン
セラフ・ダズルガーデン
何とかする
そのあと一週間がなんのリミットかセラフ以外の人間に知る由もなかった
どうやら自分は記憶がなくなっているらしい
さっきは大勢に囲まれて混乱した
いなくなったと思ったら途端に寂しい気持ちになって
何かが欠けてしまったような、そんな気持ち
Hestia
Hestia
(知らないうちに幸せになったみたいだね)
関わりのないもう一人の自分に向けて呟く
本当は今すぐにでも人格を変えたいのにそれがうまくできない
年単位で変わることが無かったからだろう
どう考えても今自分がいるべき場所ではないのに
Hestia
Hestia
(あの様子だと暗殺以外にも生き方があるみたいだ)
でなければ自分を心配して駆けつけてくれる人間などできない
それにしても一番遅くやってきた男は...
Hestia
Hestia
どこかで見たことがある?
あの男を見た瞬間、何かが変わる気がした
これから先あなたの下の名前にとってとても大事な何かに
Hestia
Hestia
...早く戻っておいで
彼女に向けた言葉に寂しさは感じない
孤独で絶望だらけな人生から救い出してやりたくて自分は協力していたから
もう自分は必要ない
その事実だけが何故か嬉しく感じた

プリ小説オーディオドラマ