赤い子はそう言いながら銃を羽織っているコートのポケットにしまった。
ジェルくんがほっとため息をつく。
さとみくんのこと大切に思ってるんだな…
…………は?
案の定ジェルくんも同じ反応だ。
……
いや、いやいやいや…無理でしょ、
落とせば割れるけど綺麗に2つに割るなんて…
返事をしてしまった…
バッ…パリンッ!
ドヤ顔で綺麗に2つに割られた皿を見せられる。
え、?
耳をぴーんと立ててジェルくんの小さな褒め言葉を聞き取り、いたずらっぽく笑っている。
ここで不機嫌にさせたら殺されると思った。
目の前で割られた皿を取り、ピタッと合わせると
かわいい合図とともに皿が元通りになった。
かっこいいな、そう思ってしまった。
げんきに手を上げながら二人で行ってしまった
と、さとみくんが目を覚ます
突然頭を抑える。
丸くなってしまった背中をさすっていると、呻き声を上げていた。
頭が痛いらしい
すぐに頭痛薬を取りに行った
背中をさすられながら声をかけられる。
嬉しいな、ありがとうなんて思うけど
頭が痛すぎて声が出ない
頭を横に振ると、何かあったら電話してね?ここにスマホ置いておくから。と言って行ってしまった。
ため息になるのか分からないため息をつくと、
廊下からバタバタ音がした。
ガラッ!!
ドアがバタンと開く音がする。
慌てて駆け寄ってきたジェルに背中をさすられる
「買い物行った」と言いたいのに、何故か声が出ない
変な勘違いをされる。
違う。そうじゃない。
声が出ないから言葉が伝わらない。
頭を撫でてくれていた赤い子が笑う
この子莉犬くんって言うんだ。
てかなななもりくんってなに?
なーくんのこと?
頭を混乱させていると、莉犬くんに笑いながら問われる。
頷くと、ジェルが安心した声を漏らす
いや…なーくんのことなななもりくんって言ってる莉犬くんも天然かバカだと思うけど…(ごめんなさい)
なんとなく笑うと笑顔を褒められる
悪い人ではなさそう。
俺いつからお前のものになったんだよw
ガチャッ!!
楽しくお話しているとコンビニやら薬局やらの袋を持って息を切らしてなーくんがやってくる
そんなに急いでくれたんだ…
なーくん体力ない方だと思ったんだけどw
あわあわしながら俺の前に色んなものが置かれる
もーすんごい量。しかもほぼ果物。
まるで漫画のようにダバダバと涙を流すなーくん。
その後みんなでケーキを食べました。
さとみくんも無事治ったそうです。
この時はきっとまだ…平和です。
更新遅れました🥺
ごめんなさい……
さて。最後の言葉にはどんな含みがあるのでしょうか?
次のお話もお楽しみに( -᷄ ᴗ -᷅ )
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。