第22話

第138話
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2024/04/21 13:00


ないこside




ないこ
なんでいたの?まろ
ないこ
それにさっきアニキもいたし…




まろの家に連れてこられて俺はさらにパニック状態になった


でもそれと同時に安心もした




If
ないこん家に突撃しようとしててん
ないこ
突撃しようとすんなよ…
If
てかそんなことよりあれ誰?誘拐?
ないこ
…父さんだよ
If
え?ないこの?
ないこ
うん…
ないこ
てか俺、アニキが心配なんだけど…





あの調子だと手を出してもおかしくない



父さんはそういう奴だ



いくらアニキでも不安だった







悠佑
まろー、ないこおる?




そんな心配をした瞬間、アニキが帰ってきた




If
アニキ!大丈夫やった?
悠佑
…今日はな
ないこ
ごめんアニキ…俺の父さんが…
悠佑
…やっぱり父親やったんや
悠佑
ないこ、よく聞け




アニキが真剣な表情をして言った



なんというか、難しい顔をしていた



俺とまろはアニキの声に耳を傾けた









悠佑
お父さんに、いれいすのことがバレてる
ないこ
え…?
悠佑
いれいすの動画とか漁ったんやろな、多分それで特定された




父さんがこんなのを見るなんて意外だった



でもよくよく考えれば、いれいすも大きくなったし、動画なんて誰もが簡単に見ることのできる時代



バレてもおかしくはなかった





If
でも動画見ただけでここって特定できる?
If
配信とかで大まかなことは言ってるけど、個人情報は漏らさんようにみんな厳重注意してるはずや
悠佑
…東京全体探したって言ってた
ないこ
は…?
悠佑
どうしてもないこを連れて帰りたいらしい
悠佑
理由は教えてくれへんかったけど
If
…ないこ、お父さんとなんかあったん?
ないこ
……ちょっとね





家族のことはあまり言いたくなかったからこの時は曖昧に返事をしておいた





悠佑
これからどうするん?
悠佑
あの調子やとまた来るで






父さんがあのまま帰るはずない



それは俺が1番よく分かっていた





ないこ
…いつも通り帰るよ
ないこ
そんなしつこい人じゃないし、大丈夫





でも、本当のことは中々言えなかった












それからまた何日かたった頃





ないこ
…そろそろ行かなきゃ




仕事があるから家を出ようと玄関のドアを開けたときだった









バタッ!!









気づけば俺は背中から倒れていた





ないこ
ちょっ!何!?





例の人物が俺が動かないように全身でしっかりと床に押さえつけていた





ないこの父親
許さねぇ…許さねえからな…
ないこの父親
人の人生奪っておいて…絶対許さねぇ!!
ないこ
いきなり何!離してッ!!
ないこの父親
うるせえよ!!暴れんじゃねー!!





あの時と同じ衝撃が頬に走った



…凄い痛かった



そこからどれくらい抵抗してただろう



抵抗するのに必死でどれくらい時間が経ったのか分からなかった



でも、いつまでこんな状態が続くんだろって心の奥底で感じるくらいだった









ないこの父親
いい加減にしろッ!!
ないこ
やめてッ、1回落ち着いてッ…
ないこ
父さんッ…!





バサッ!!





俺が叫んだ瞬間、体が一気に軽くなった






ないこ
…あにきッ!?







何事かと思って見ると、あにきが父さんの体を押さえつけていた



そしてその後ろからもう1人





If
ないこ大丈夫!?
ないこ
まろッ…





ないこの父親
またお前らか…邪魔するんじゃねーよ
If
は…?
ないこの父親
こっちはないこを連れ戻すのに必死なんだよ、邪魔するな





2人をギロリと睨みつける父



やっぱりあの日から父さんは狂ってしまったなと思う




悠佑
だからってやっていい事と悪い事があるでしょ?
悠佑
暴力振ってでも連れ戻したいんですか?
ないこの父親
そーだよ
ないこの父親
コイツは家族の人生を奪った最低な人間だ!手を出さないと気が済まねえ!
If
…自分が何をしたのか分かってますか?
If
息子に手を出すなんてしちゃいけない
ないこの父親
お前らは知らないんだろ?











ないこの父親
コイツが有輝を殺したことを
If
…は?
ないこの父親
コイツのせいで有輝は死んだ、そのせいで家庭が壊れたんだよ




父さんが再び俺を睨みつけた



でもそりゃそうだ



家庭が荒れたのは俺のせい、これは紛れもない事実



有輝を殺したのも間違いじゃない



でもそれをメンバーの前で言われたのが嫌だった




ないこの父親
お前がこんなことしなければ…!
ないこの父親
…って、離せよ!!



父さんを押さえつけてるあにきも、俺の横にいるまろもずっと俺の方を見ていた



それが凄く、怖かった




悠佑
…まろ




あにきがまろの方を見る



まろは黙って頷いて俺を連れて家から出ていった






If
ないこ…




まろの家に入ったとき、気まずそうに話しかけてきた




If
なんであの人はそこまでしてないこを連れ戻したいん?
If
何が原因で家庭が荒れたん…?








もう、ここで話すしかなかった







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