第23話

第139話
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2024/04/28 14:04


ないこside








俺が高校2年生の頃









ないこの母親
2人ともまだ起きてたの?
有輝ゆき
お兄ちゃんに勉強教えてもらってたの
ないこの母親
だからないこの部屋にいたの
ないこの母親
あんまり遅くまで起きてちゃだめよ
ないこ
はーい




ないこの父親
…有輝、ここにいたのか
ないこの父親
部屋にいないと思ったら…もうそろそろ…
有輝ゆき
はいはい、寝るから
有輝ゆき
さっきまで勉強教えてもらってたの
ないこの父親
…ないこじゃなくても父さんが教えるのに
有輝ゆき
お父さんはバカでしょ
有輝ゆき
お兄ちゃんありがと、おやすみ〜
ないこ
はーい
ないこの父親
…ないこも寝ろよ
ないこ
うん、おやすみ





この頃はごく普通の家庭だった



父さんは有輝の方をよく面倒見てたから、俺に対してはちょっと冷たかったけど






ないこ
有輝!それくらいの人参は食べろよ!
有輝ゆき
無理だって!ていうかお兄ちゃんもトマト食べてないじゃん!
ないこ
いやあれはちょっとデカすぎるから!小さいやつは食べるから!
有輝ゆき
だったらこの人参もデカいんだけど!
ないこ
俺のトマトよりは小さいだろ!
ないこの母親
2人とも早く食べなさい…





特に妹とは仲が良かった



ふざけた会話がほとんどだったけどお互い尊敬していた





有輝ゆき
お兄ちゃんってさ
有輝ゆき
前向きで頼もしいし、責任感強いけど……
有輝ゆき
強すぎて、よく落ち込むよね




学校から家に帰って来たある日、突然そんなことを有輝に言われた




ないこ
急にどうしたん?
有輝ゆき
んー、なんとなく?笑
ないこ
何それ笑




なんでこんなことを言ってきたのかは未だに分からなかった



この時は全然気にしてなかったけど



















それから数ヶ月くらい経ったある日





家族全員で買い物に出掛けていた




その帰り道の信号




俺たち歩道側の信号は確かに青だった




なのに、一足早く信号を渡っていた俺は横から何かが迫ってくるのを感じた







これは、轢かれる…って







それなのに…












有輝ゆき
お兄ちゃん!!!!









有輝が俺を庇うかのように前に出てきた







その先はもう言わなくても分かるでしょ?
























その日から家庭は壊れた





正確には父さんが、かな







ないこの父親
有輝が…有輝がッ!!
ないこの父親
なんでだ…なんでこうなった!!





父さんは今すぐにでも俺を殺してしまいそうな、そんな目で見つめていた




父さんは俺より有輝の方を心配してたし、有輝に対しての愛情の方が大きかった



でもだからって、俺に見向きもしなかった訳じゃない



父親としては正しく行動していたはずだった



でもこの瞬間、父さんは変わってしまった








ないこの父親
おいないこ
ないこ
父さん…ごめん…
ないこ
俺のせいで…有輝が…
ないこの父親
死ねばよかったのに








ないこの父親
お前が死ねば良かったんだよッ!!!






これが、事の始まりだった










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