第8話

スニークとトリック
27
2023/09/15 10:48
ミコトとダリア、謎の男の子は
それぞれ今までの状況を話し合った
ダリア
ダリア
「つまり、君はこの街で『ピース』が
導入されるより前から存在している
マジシャンの名家『ローキー』の
跡継ぎって事ね...」
ローキー・アイリス
ローキー・アイリス
「そう、僕は『ローキー』の
次期当主、ローキー・アイリス!」
月火  命
月火 命
「...えっと...『ローキー』って...?」
ダリア
ダリア
「マジシャンの名家『ローキー』。
様々な土地で大昔から
マジックショーを行っている
ローキーはピースカルに
定住したのよ!」
ローキー・アイリス
ローキー・アイリス
「でも...僕がピースに適合出来なくて
それが原因で何回も『ローキー』は
街から酷い仕打ちをうけているんだ...」
アイリスは顔を俯かせた
ローキー・アイリス
ローキー・アイリス
「ピースのせいで、マジックショーも
不人気になってしまったんだ...」
三人は全員、この重い空気に
顔を逸らした
ローキー・アイリス
ローキー・アイリス
「...僕、家に帰るね...!
そろそろ帰らないと...
父上も母上も心配してるだろうし!」
シュドール・アイ
シュドール・アイ
「大丈夫ですかぁ?
結構、マズイ逃げ方してますけど...」
アイは三人の前に顔を出した
ローキー・アイリス
ローキー・アイリス
「大丈夫!大丈夫!
父上はこの国の『オエライ』さん
とか言うのだから、今回も
どうにかしてくれるよ!」
三人はそのまま外に出ていった
外はもう夕方になっており
城下町はオレンジ色に
なっている
ローキー・アイリス
ローキー・アイリス
「....ん?」
城下町は、さっきまでの
活気が嘘かのように誰も居なかった
ローキー・アイリス
ローキー・アイリス
「あれ...?あれ、あれ?」
月火  命
月火 命
「何が起きてるの...?」
ダリア
ダリア
「私も分からない...けど....」
ザッザッザッザッザッザッ
遠くの方から何十人かの人間が
重いものを持って走っているような
音がする
音が近づくにつれて「ような」
という曖昧な言葉ではなく確信へと
変わっていった
ローキー・アイリス
ローキー・アイリス
「ワァー!」
目の前から銀色の甲冑をかぶった
人間が走ってきている
月火  命
月火 命
「...まさか...こっちに
向かってきてる...?」
ダリア
ダリア
「...どうやらそのようね」
甲冑軍団の先頭を走っている人間は
金色に甲冑を光らせている
「白い服装の妖精、赤髪の少年は
生かすも殺すも好きにしろ!
それでも、『ローキー』だけは
生かして『あの方』へ連れて行け!」
その声と共に甲冑の軍団は
槍を向け走ってくる
ローキー・アイリス
ローキー・アイリス
「......」
アイリスはその気迫に押されたのか
体がすくんでいる
月火  命
月火 命
「...それ以上近づいたら
どんな人でも容赦はしないよ!」
ミコトは二人の前に立った
ローキー・アイリス
ローキー・アイリス
「....!」
アイリスは突然
ミコトとダリアの服を掴んだ
ダリア
ダリア
「...アイリスくん!?」
ローキー・アイリス
ローキー・アイリス
「大丈夫、いつもやってる事だから」
ローキー・アイリス
ローキー・アイリス
『シャッフル』
アイリスは唱えると
三人がいた地面に三つのヤカンが
現れ、三人は消えた
「クソ、逃げられたか...
まぁいい、どうせもう
ここにアイツの逃げ場なんて
ねぇんだからな」
金色の甲冑を着た人間は
そう呟いた
三人は小さな小屋の中に
出現した
ローキー・アイリス
ローキー・アイリス
「ジャジャーン!
瞬間移動トリックー!」
二人はまだ唖然としている
ローキー・アイリス
ローキー・アイリス
「ほらほら!僕の家まで
まだ遠いけど、僕の力があれば
隠れながらいけるよ!」
ローキー・アイリス
ローキー・アイリス
「...そうそう、僕から離れないでね
マジックのタネは
バレたくないでしょ?」
アイリスはそのまま扉から出ていく
二人は何も分からないまま
そのままアイリスの後ろに
ついて行った
ローキー・アイリス
ローキー・アイリス
『ミスディレクション』
三人はオレンジ色の城下町へと
溶けていくように消えていった
次回、「最悪なマジック」

プリ小説オーディオドラマ