第5話

こんな無茶な仕込みある?
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2023/08/05 03:00
森本 慎太郎
制作
局AD出身、TV事情に詳しい
制作のプロだけど、軽い粗編の応援くらいなら全然できる
樹のようにオールラウンダー気質
※仕込みとは撮影に合わせて準備をすることで、照明〜ヘアメなどのアサインからロケ地の許可取り、弁当手配までの準備を指す

慎太郎「次のロケ地、仕込むのめっちゃ大変だったんだけど、もっと褒めてくんね?w」
「樹さん、北斗さん他作業先に進めて素材差し替え後回しにしてくれるって」

樹「おー!いま風磨から口頭承認もらえたから買っちゃって!」

「はーい」


座席に戻り申請内容に基づいて指定素材を購入する。


樹「書いてあるけど一応、4K素材ね!」

「はーい」


樹さんが私の画面を後ろから覗き込みながら言う。新人の頃購入サイズ間違えたことをいまだに覚えている模様。(忘れて〜ッ)


「北斗さんに送ります、樹さんと風磨さんcc入れておきますね」

樹「助かる〜一旦こっちは納品いけそうだなー、ありがとう!」

「いえ、恐れ入りますー」

慎太郎「おはようございまーす!!!」


オフィスの入り口が勢いよく開く音がしたと思ったら、元気の塊みたいな慎太郎が現れた。


「おはよう」

樹「おはよ、ロケハン行ってきた?」

慎太郎「行ってきた、でも多分ダメだわ」

樹「なんで?」

慎太郎「奥行き全然ないからコンテ通りので撮れないよ?」


お二人のやり取りをなんとなく耳に入れつつ、自分の作業を進める。

慎太郎、精算たまってないかな。心配…。後々自分が大変になるからなー。
(自分の分は自分でやるのが原則だけど、遅れすぎると代行しなくちゃいけないんだよ!!)


樹「え、髙地一緒行ったよね?なんて言ってた?」

慎太郎「無理だねって、w」

樹「検討の余地ねーじゃん!じゃもう一個の(候補の)方?」

慎太郎「そね〜だとしたら交通許可必要だからあなたに作ってもらわないと」

樹「あなた!出番だ!」


私ポケモンか何かなの?と思いつつも返事をし振り返る。


「はーい。押印申請出すので、慎太郎は情報ちょーだい」

慎太郎「このあと送る!slackすんわ〜」

「はーい、お願いしまーす」

樹「あれ?髙地とジェシーは?一緒じゃないの?」

慎太郎「あの二人そのまま次の現場行った」

「あーうち受託以外の案件ですね、撮影外注の。」

樹「夜戻ってくる?」

「確認します」


お二人のカレンダーを開き、夜の予定を確認する。


「あ、19時過ぎには現場終わって20時戻りになってますね。赤坂からなので20時前にはここに戻れんじゃないすか」

樹「おっしゃ、了解」

慎太郎「ロケ地変わるなら順番も変わるよね、その辺あの二人と話しておきたいなー」

樹「おけ、打ち合わせしよ」

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