「はい、鹿瀬です」
風磨『あ、あなた?お疲れ』
「お疲れ様です」
風磨『飲んでんの?みんないる?』
「あ、はい。みんな、えっと」
風磨『あいつら6人とも居んだろ?』
「そうです、急遽飲むことになって」
風磨「誘えって!!!!!」
「!!!、ん?!?、えっ」
ガラッという扉の開く音と共に、私のスマホのスピーカーから聞こえるはずの風磨さんの声がお店に響く。
そこには久々に見る、我が社の映像プロデューサーである風磨さんが立っていた。
樹「あ?!風磨!」
慎太郎「おー!風磨来た!!!」
ジェシー「お〜?!久々!!!!」
風磨「きたよ、みんな飲んでるなw」
「ふ、風磨さん、直帰じゃ」
風磨「会社に用あったの。そしたらあなたがここで6人と飲んでるって言うからさ、来ちゃった」
髙地「久々に揃ったじゃん」
京本「何飲む?」
風磨「とりあえず生!」
「はーい、生一つください〜」
速攻出てきた生ビールを持った風磨さんが、いつもの余裕の笑顔で乾杯の音頭をとる。
「風磨さん、明日10時すぎ出社でもいいですか?」
風磨「いいよ、俺も直行だから」
「やったー。」
風磨「数字は?」
「来期の数字ならまとまってます」
風磨「じゃいいよ。樹、コンペの画コン進んでる?!日付ねーぞ」
樹「明日やるてか今日もやってた」
髙地「俺たちそれアサインある?」
風磨「出来たら内製したいから開けといて欲しい、まあ通んなかったらパァだけど」
ジェシー「HAHAHA!!!確かにぃ」
慎太郎「あなた、道路のやつ10時頃までにSlackすればいいってこと?」
「うん、大丈夫。ちょい遅く行くから。ありがとう、」
風磨「あっ待って!!!!!!!」
何?あっなんか嫌な予感する。
風磨「明日10時までに出さなくちゃいけない見積もり5件くらいあったわ〜w」
「つまり…?」
風磨「9時半!9時半には来て!お願い〜っ」
「自分で作ってくださいよ!!」
風磨「朝から外だもん、アシスタント業やってよ〜」
「…はぁ〜、…わかりました。」
北斗「鹿瀬さん大変だね」
京本「風磨のアシスタントできるの鹿瀬ちゃんだけだよほんと」
「…帰りまーす!!!!」
風磨「俺きたばっかじゃん!なんで帰んの?!」
「明日朝早いからですよ!」
京本「俺明日午前休〜」
北斗「俺も10時過ぎに行こうかな、クライアント待ちだし」
樹「俺らは明日ロケハンか?」
慎太郎「そう!直行だね」
髙地「俺たちも明日何もないから貯まってる振休(振替休日)使う、ね」
ジェシー「そうそう」
「〜っやっぱ帰ります!!!!」
この人たちクッソ自由すぎる!
でも、やっぱ憎めないんだけど、、それって私が甘いんかな?
ひとまずこの角ハイが無くなったら、絶対に帰ろう。
そう心に決め、ジョッキを傾けた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!