私がニコライに問い掛けると、彼は顔を真っ赤に染め上げた状態で外套で顔を隠し、困惑していた。
私は何故か説教されている事に違和感を覚えつつも、適当に返事をする。
ニコライは態とらしく大きな咳払いをすると、笑顔を戻し、私に大声で話し掛けてきた。
終始五月蝿い人だなと心の中で考えていたが、そんな呑気な事を考えている場合ではないと、一瞬で察した。
私は其れを聞いた瞬間、ニコライの腹に蹴りを加える。
ニコライはそのまま吹っ飛び電信棒に激突すると、少量の血を吐いた。
ニコライは自身のある笑みを私に見せると、外套から"私の足"を引っ張り出す。
私は掴まれている方の足を動かすが、全くの無意味であった。
言葉を云い終える前に、ニコライは私の足にナイフを突き立てる。
私は痛みに顔を顰めながら、絶叫を零す。
此処は路地裏の為、誰にもこの声は届かない。
私は異能を使おうとしたが、口を塞がれてしまった。
接吻で
私……、何回接吻されてんだろう……
痛みは段々と引いていった。
否、実際は躰が悲鳴をあげているが、孤児院の方が余っ程痛かったからか、直ぐに感じなくなってしまった。
私はニコライが足を離した一瞬の隙に、無理矢理足を動かし、駆け出す。
血の垂れる足が仇となった。
長い間、サb(休んでしまい、済みませんでした!
御詫びと言っては難ですが、今日から3日間連続で連載します。
また次回
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。