私は笑うのを辞め、静かに言葉を発した。
私は包帯を軽く触ると、苦笑した。
其処から私はケラケラと笑った。
駄々をこねる治を遠目に見つめていたが、やがてまた話そうという約束をして解散した。
私は中也に声を掛けたが、中々起きない。
私の異能空間に転送させたいけど、必ず自害しちゃうからな〜……
しかも此処の取引先潰さないとだし……
此の会場にいるのは私が転送したもの以外皆、サクラだ。
判りやすい演技、話し方、見た目……
私は探偵社が帰った事を確認した。
私が二人を呼ぶと一瞬で駆けてきたが、樋口は物凄く疲れていた。
二人に指示を出すと、直ぐに行動を起こしてくれた。
中也は芥川に起こされ、私を見つけると柔らかく微笑みながら言葉を発した。
中也はそう云うと、芥川に肩を借りながら車へと歩いて行った。
其れを聞いた樋口は少々驚いていたが、暫くすると何時も通りに戻った。
樋口はフロアを出ていくと、私は息を軽く吐いた。
"サーカス"
私の異能により、フロアの客は全員消えた。
私の異能空間で死んだ人達は全員、私以外の記憶から消える。
元々居なかったかの様に、死体と共に記憶も闇に葬られる。
私は呟くと樋口の基へと歩いて行った。
サクラとは、イベント主催者や販売店に雇われて客や行列の中に紛れ込み、特定の場面やイベント全体を盛り上げたり、商品の売れ行きが良い雰囲気を偽装したりする者を指す隠語。 当て字で偽客とも書く。
一応説明です。
また次回
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!