中也side
俺は昨日、酒を飲み過ぎたせいで二日酔いに陥り、頭痛を引き起こしている。
だが、そんな事を言い訳に任務を放棄する程の莫迦じゃねぇ。
……そういえば朝からあなたの下の名前を見てねぇな。
マフィアの廊下をキョロキョロと見回すと、芥川が此方に向かって歩いてきた。
その質問に芥川は首を傾げる。
芥川は俺の怒りを察したのか、名を出すのを躊躇っている様子だった。
俺はあなたの下の名前の名を聴くと、芥川に一言謝り、執務室へと向かった。
コンコン
俺はあなたの下の名前の執務室をノックすると声を掛ける。
するとドア越しにあなたの下の名前の焦った声が聴こえてきた。
ドンッ
俺はドアを力強く叩くと、もう一度声を掛ける。
ガチャ
ドアは音をたてながら、少しばかり開いた。
其処からあなたの下の名前は顔を覗かせる。
暫く黙っていたあなたの下の名前だが、やがて眼を反らしながら何か呟いたかと思えば、顔を真っ赤に染めていた。
俺は怒りよりも疑問符のほうが頭に浮かび上がる。
あなたの下の名前は小さな声で何かを囁いた。
あなたの下の名前は叫ぶ様に云うと、ドアを勢いよく閉め切ってしまった。
俺はドアに凭れ掛かるように座り込んだ。
あなたの下の名前side
私はうずくまりながら、独りで呟く。
中也は知らないよね?
知らないのは仕方ないよね……?
酒を飲むと記憶があやふやになるんだから……
ごめんなさい……
そんな事を判った上で、悪者扱いしちゃって……
嗚呼、中也に嫌われたかも。
あれ?
私、何で中也に嫌われたくないんだろう……?
幼馴染だから?
それとも
私は首領から資料を受け取る為に歩き出そうとしたが、携帯が振動した。
私は携帯画面を見ると眼を見開いた。
アンケートにご協力を……
アンケート
夢主に連絡を入れたのは?
芥川龍之介
12%
樋口一葉
5%
太宰治
52%
中原中也
24%
森鴎外
7%
投票数: 1113票
また次回
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。