__汐恩side
あなたの帰りが遅い、と思っていたらバタバタと騒がしく帰ってきた
心配で急いでかけつければ
抱きついてきたあなた。雷が怖いと
そんな姿も可愛いなと思ってしまう
少し抱きしめたあと落ち着いたあなたは俺を見上げお礼を言った
俺より小さな背、自然に上目遣いになる
寒さのせいか赤く上気した頬
全てが俺を揺らがす
気づいたらあなたを壁に押しやっていた
と頭にハテナを浮かべているあなた
俺は小さくキスを落とす
1度触れたら止まらなくなってしまいそう
角度を変え何度もキスをする
慣れないのかあなたは段々と息が上がってくる
とグイッと離れさせられた
冷静になって慌てて謝る
でもあなたは小さく首を振るだけだった
そして俺の裾を引っ張った
あたふたと弁解するあなたをまた可愛いと思う
思わず笑みがこぼれる
あぁやっぱり俺
あなたのこと好きだ。
今までずっとどこが引っかかっていた
好きのなのに、好きだって認めるのが怖い部分があって
それは政略結婚から来たものだったんだろう
自分の気持ちが本当なのか、分からなくなって
でも今はちゃんと心から思う
あなたが好きだと
だからさ、あなた
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈NEXT
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。