第7話

mina× sana Part1
2,800
2023/02/03 10:56
once「キャー!!サナやーーー!!」

once「TWICE〜!!」
TWICE
TWICE
皆さーん!ありがとうございました!TWICEでしたー!


沢山の人気グループが毎年違うセッティングのステージに立ち、

各グループ沢山の方に聞いていただいた曲を披露する。

そんな1年の中でも大きなイベントのmama。



mamaという大きなイベントに来てくれた方の中には

様々なファンが来てくれている。

だからステージから見る光り輝くペンライトが

色んな色をしていてすごく綺麗。



ありがたいことに、

そんな素敵なステージで

私たちTWICEもパフォーマンスをすることが出来た。

キャンディーの形をした私たちのペンライトを

一生懸命振っているonceをステージから見つける度に、

私たちTWICEは幸せな気持ちでいっぱいになる。















Jihyo
Jihyo
皆良かったよ!!お疲れ様!
nayon
nayon
楽しかったー!
Sana
Sana
みーたんのパフォーマンス最高やったで?
mina
mina
ほんま?ありがとなさーたん。
ステージと最後の挨拶が終わって、

TWICEの楽屋に戻ってきた私たち9人。

そして部屋に着くや否や、コソッと私を褒めてくれたこの美しい女性は

湊崎紗夏。

私の大事な大事な彼女。

そんな彼女はいつも天真爛漫で、

どんな人にでも親切に接する心まで美しい女性。

日々笑顔を絶やさない彼女だけど

ライブや大事な時には誰よりも頼りがいがあるメンバー。

momo
momo
よし!じゃあマネオンニ来るまでゆっくりしようや。
tzuyu
tzuyu
そうですね…流石に少しだけ疲れました…笑
momo
momo
今日ツウィ張り切っとったもんな笑
tzuyu
tzuyu
そうなんです笑
楽屋の入口近くで話しているモモとツウィ。

確かに今日のステージ皆活き活きしてた。

コロナウィルスの関係で、

なかなかファンの方と一緒の空間を過ごすことが難しくなってたから、

久しぶりにonceや、他のグループのファンの方の声援を聞けて私達も気持ちが上がってしまった。

やっぱり私たちはファン方がいてくれるから頑張れるんだってわかった。
Sana
Sana
じゃあサナ自販機で水買ってくるわ!
mina
mina
ん、うちも行こか?
Sana
Sana
大丈夫!みーたんは休んでて?
Jeongyeon
Jeongyeon
じゃあ私行こっか?
Sana
Sana
もー笑
Sana
Sana
誰も着いてこなくて大丈夫やから!休んでてや?
Chaeyoung
Chaeyoung
オンニありがとうございます…
mina
mina
Sana
Sana
すぐ戻るなー!
私は今日のステージを思い返していると、

サナがメンバーのために水を買いに行くと言い出した。

私はそんな彼女について行こうとしたけど、

止められてしまった。






きっとサナも今すぐにでも座って一息着きたいはずなのに、

メンバーの為に1人で9人分の水をもってこようてしている。

サナ。優しいにも程があるよ。本当に…。



「すぐ戻るなー!」と言って、

お財布を片手に楽屋から飛び出して行ったサナ。

いつもだったらこんなこと感じないけど、

私たちに背を向けて部屋を出ていくサナの背中が何故か遠く感じる。




恋人なんだから…もっと甘えてくれていいのに。

1人で全部やろうとなんて思わないで、

水くらい一緒に買いに行こうよ。
mina
mina
……。
そう思うとなんだか切なくなった。

コロナがだいぶ治まってきた今、

ありがたいことにたくさんのお仕事をいただけて、

私達は毎日頑張っている。

昼夜構わず撮影場所への移動やMV撮影など、

目の前のことにとりあえず精一杯すぎて、

最近サナと夜のそういうことも出来てない。




だからってそのせいにはしたくないど、

日々メンバーの為にメンバーの為にって忙しく動いてるサナ見ると、

いくら私でも、

ちょっとだけ…妬いちゃうよ…?



たまには私だけ見てくれてもいいのに。

メンバーの為に何かするなら、

私も一緒にやるのに。













あー、ばかばか。考えすぎ。

サナのメンバーへの優しさなのに、

恋人の私がそんなこと考えてどうするんや。

これじゃあサナの気持ちを踏みにじってるみたいなもんじゃないの。














Dahyun
Dahyun
……ンニ
Dahyun
Dahyun
…オンニ!
mina
mina
…っん?あ、ダヒョナどうしたん?
Dahyun
Dahyun
さっきからずっとぼーっとしていたので声掛けちゃったんですけど…
Dahyun
Dahyun
オンニ大丈夫ですか…?
mina
mina
え、あ、うん!大丈夫やで?
mina
mina
ありがとな~ダヒョナ!
Dahyun
Dahyun
…。
Dahyun
Dahyun
…オンニ?何か変な食い違いが起きる前に、
Dahyun
Dahyun
サナオンニに思ってること伝えた方がいいですよ?
mina
mina
…え?
Dahyun
Dahyun
なんでもないです!!
Dahyun
Dahyun
じゃあまた後で来ますね!
ぼーっとしていたらしい私に声をかけてくれたダヒョンは、

「食い違いが起きる前に気持ちを話した方がいい」

とだけ言い残して、

そのままチェヨン達のいる方へと戻った。

ダヒョンが私にかけてくれたその言葉が頭の中をぐるぐる駆け巡る。








「食い違い」

…うん、確かに。

ダヒョンが言った通りだ。

サナは私の恋人なんだから、

変に私が気持ちを隠していた方がサナも嫌だよね。
mina
mina
mina
mina
オンニ達。私サナの様子見てきます。
Jihyo
Jihyo
はーい!
楽屋の扉を開けようとしたところで、

チェヨン達のところにいるダヒョンが、
Dahyun
Dahyun
(ミナオンニ…グッド👍🏻
こっそりニコッとしながら私にグッドマークしてくれたのに気がついた。

ダヒョナ。

私はダヒョナのそういうところにいつも救われてるで?

ありがとな。














確か自販機はここからは遠くないはず。

私は楽屋から出て長い長い廊下を1人で歩く。



ここで私はふと思った。

自販機が楽屋から遠くないならサナはすぐ戻ってくるはずなのに、

思い返せば楽屋に全然帰ってこなかったこと。

少しは変だと思うべきなのに、

自分のことばっかり考えてて、サナの様子に気づけなかった。

こういうところがやっぱり私ダメなんだと思う…。



大丈夫かな…何かあっていなければいいけど…。

そう思う気持ちが私の歩く速さを早める。













Sana
Sana
……_@△▢#@$〜_
廊下を歩き出して数十秒もしないうちに、

私は聞きなれた女性の声が聞こえた。


サナだ。

この声は間違えなくサナ。

何を話しているかはまだ聞き取れないけど

声が聞こえるってことは誰かと会話してること…?



1歩歩く事にどんどん鮮明に聞こえるようになる会話。

角を曲がるともう見える自販機を目の前にして、

サナと会話している相手の声が聞こえた時、

私はピタリと曲がり角で止まってしまった。
Jungkook
Jungkook
…あ、そうなんですね!
Sana
Sana
はい笑笑
あの声は…、BTSのジョングクさん?

なんでジョングクさんがこの階に…。
Jungkook
Jungkook
TWICEさんのステージ輝いてましたよ!
Sana
Sana
いやいやとんでもないですよ…
Sana
Sana
ジョングクさんこそ、イントロの演出凄かったです!
Jungkook
Jungkook
ありがとうございます!
Jungkook
Jungkook
それにしても困りました…僕たちの階の自販機売り切れてて笑
Sana
Sana
あ、だからこちらにいらっしゃったのですね!
Jungkook
Jungkook
そうなんですよ!お邪魔しております!笑
Sana
Sana
笑笑笑笑
………。
落ち着いて私。

ただのアイドル同士の会話よ。

なのになんでこんなに心臓がうるさいの。

他の事務所の方だからといって顔を合わせたのに一言も喋らない方が失礼よ。

だからサナもあんなにニコニコしてるし、

onceと握手会をする時みたいに笑顔なのよ…。

けどなんであんなに楽しそうなの…。



…駄目。悪いこと考えちゃダメ。
Jungkook
Jungkook
なかなか他の事務所の方とお話する機会がなかったので、
Jungkook
Jungkook
今日こうやって話せたの嬉しかったです!
Sana
Sana
こちらこそ!ジョングクさんは素敵な方なんだなって改めて思いました!
Sana
Sana
また機会があれば是非よろしくお願いします!
Jungkook
Jungkook
はい!次はほかのメンバーも連れてきますね!
Sana
Sana
はい!
この感じは…会話が終わった…?

2人の声がピタッと止んで、

スタスタと私たちの楽屋とは反対側の方向へ歩く音が聞こえる。

その音でジョングクさんが戻って行ったんだなって分かった。





それにしても、

久しぶりにあんなに声の明るくて可愛らしい笑い声聞いた。

無邪気で何色にでもそまれるような程に真っ白で

汚れ1つない透き通った声。





……。

ねぇ、サナ。

何か勘違いしてるんじゃないの…?

その声を聞かせるべきなのは、

BTSのジョングクさんじゃなくて、





私だよね。





曲がり角で突っ立っていると、

足が動き始める音がした。

来る。

サナは私たちの所に戻ろうとしてる。

ごめんなサナ。

本当は盗み聞きするつもりはなかってん。
Sana
Sana
…え、みーたん…?
mina
mina
……
私が思っていたタイミングとほとんど同時で

サナは曲がり角を曲がって来た。


私がいることに驚いてボトボトと抱えていた9本分の水を落とす。

そうだよね。

いるとは思わんよな。
Sana
Sana
なんで…いるん?
mina
mina
…見に来ただけやで。
Sana
Sana
休んでてって言ったやんか!!
mina
mina
……。
サナ。

貴方は気づいてないのね私のこの気持ちに。

眩いくらいに綺麗な心の持ち主とは反対に、

少し黒くなった私の心。

こんな状態でも私の心配をしてくれるサナに、

私の中にある何かがプチッと切れた音がした。






なぁサナ。

分からしたるよ。


貴方が何をしたのか。


もう止まらんから。

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