アリスと白雪姫は小川を挟んで目を合わせた。
1人は笑い、1人は嫌気を顔に出した。
白雪姫はドレスの裾を掴み、小川をバシャバシャと
渡った。
そして、白雪姫はアリスの冷たい手を握った。
笑顔を向ける白雪姫に、アリスは冷たい反応をとった。
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白雪姫は、アリスが自分と同じ境遇に立たされている
事を知っているようだった。
「物語を終わらせたくないと願う境遇」を。
白雪姫が頬を膨らませていると、アリスは白雪姫の手を振り払い、
小川の方へ向かった。
「早く物語を未完結にしたい。」
その一心で、アリスは城へと足を進めた。
そう言って白雪姫はアリスの後をついていった。
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白雪姫のその必死すぎる目に、アリスは厭さを感じた。
アリスは足を止めずに話し始めた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。