第5話

story4
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2018/08/14 02:20
教室を勢いよく飛び出して、着いたのは屋上だった。
こりはら りいな
なんで……
なんでこんなことになってるの……
ひんき
お前が幼馴染やめたいって言ったんだろ?
こりはら りいな
え?
後ろから声がしたと思い振り向くと、屋上の隅で座ってこっちを向いている男の子がいた。
こりはら りいな
だれ?
ひんき
だれだと思う?
こりはら りいな
知らないわよ
ひんき
おれはお前の友達に呼ばれた
こりはら りいな
友達?
この人は何を言っているんだ?
ひんき
めいかってやつだっけな
こりはら りいな
めいかの知り合いなの?
ひんき
ああ、そうだよ
こりはら りいな
あなたの名前は?
ひんき
ひんき だ。
ひんき
質問が多いな
こりはら りいな
知らない人なんだもん
ひんき
それで?今お前、困ってんのか?
私は、みきとの事を思い出した。
こりはら りいな
そうなの……みことが私の事忘れちゃって……
ひんき
よかったじゃん
こりはら りいな
え?
ひんき
願ってた事なんだろ?
ひんき
叶ったんだから良いじゃん
そうか、私はこれを求めてたんだ。
幼馴染をやめたいって。
なのに……
こりはら りいな
なんでだろう……嬉しくない
嬉しいはずなのに、どこかで嫌という気持ちがさまよってる。
ひんき
嫌なのか?
こりはら りいな
分かんない……
ひんき
まぁ、自分が願ったことなんだから、どうにか頑張ってみれば?
こりはら りいな
……そう…だね
ひんき
じゃあ俺はこれで
こりはら りいな
え?
その瞬間、ひんきが屋上の塀を勢いよく乗り越えて行った。
こりはら りいな
え!?嘘でしょ!?
私は屋上の外を急いで覗いた。
けれど、屋上の外にはだれもいなかった。
こりはら りいな
あ、あいつ何者?
私は教室に戻ることにした。

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