気づいたら、私は部屋のベッドに寝転んでいた。
なに……?さっきのは夢だったの?
私は辺りを見渡す。
けれど、特に変わったことはない。
みきとがいない……
いつもこの時間には私のベッドの横に座っているはずなのに。
今は登校時間の15分前。
夢の時間と一緒だ。
とにかく、私は遅刻しそうなので急いで学校へ向かった。
学校に着く頃には、登校時間まであと5分だった。
私はゆっくりと教室へ入った。
すると、奥で友達と楽しげに話しているみきとがいた。
私は教室中に響く声で呼んだ。
クラスの子達は驚いた顔でこちらを見ている。
その中で、同じように驚いた顔で私を見ているみきとがいた。
すると、みきとが困った顔で私を見た。
予想外の言葉に私は固まってしまった。
クラスがザワザワしている。
私とみきとは幼馴染だよ?
みんなだって知ってたよね?
なんでこんなことになってるの?
私は怖くなって勢いよく教室を飛び出した。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。