第12話

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2024/04/23 11:12
渡辺side


目が覚めたら、僕は布団の中にいた。

電気も消されている。しかし、隣に居るはずのあの人は居ない。
渡辺翔太
渡辺翔太
っ、
頭痛が酷い。

取り敢えず、寝室から出ることにした。



ガチャッ


明りは付いているが、あの人の姿は見当たらない。

ふと壁に掛けてある時計を見て、真夜中であることを知った。

状況がまだ掴めない。

フワフワとしたまま洗面所へ向かう。

顔でも洗ってスッキリしよう。
渡辺翔太
渡辺翔太
……えっ
首元にじわっと赤くなった痕を見つける。
渡辺翔太
渡辺翔太
これ…
"アレ"だよな。

え?なんで…。

てか、誰に…。
渡辺翔太
渡辺翔太
ぐっ…
波のある頭痛による苦しみが襲い掛かってくると同時に衝撃の強い記憶が蘇っていく。
ドスッ



腰が抜けた。

それから、視界がぼやけて目から溢れる水が滴った。

俺は、何をしてるんだよ。

俺は、…俺は、、、
宮舘涼太
宮舘涼太
翔太…?
声のした方に顔を向ける。

そこにはコンビニ袋を持って立っている涼太がいた。
渡辺翔太
渡辺翔太
りょう…た
涼太は持っていたコンビニ袋を床に置いた。

そしてしゃがみこんでいる俺と視線が合うように、涼太は床に膝をつけた。
宮舘涼太
宮舘涼太
渡辺翔太
渡辺翔太
俺は目線を合わせられなかった。

それでも、俺のことを包み込むような視線はしっかりと捉えられた。
渡辺翔太
渡辺翔太
…ごめん、なさぃ
宮舘涼太
宮舘涼太
…なんで?
渡辺翔太
渡辺翔太
宮舘涼太
宮舘涼太
渡辺翔太
渡辺翔太
涼太、を裏切るようなことした…
宮舘涼太
宮舘涼太
…そこに翔太の意志は、あったの?
渡辺翔太
渡辺翔太
宮舘涼太
宮舘涼太
渡辺翔太
渡辺翔太
な、ないっ!ない!
強く否定したいのに、目から溢れる水滴が邪魔をする。


ギュゥッ


涼太は、強く優しく俺を抱き締めた。
渡辺翔太
渡辺翔太
りょう…たぁ…
宮舘涼太
宮舘涼太
それが聞けて良かった。そこに翔太の意志があったなら、俺が翔太を傷つけてたことになる
渡辺翔太
渡辺翔太
っ、!
涼太は、そういう考え方をする人だよね。

俺に裏切られていたのかもしれない…、ではなく、
自分が俺を締め付けていなのかもしれない、と考えるんだね。
宮舘涼太
宮舘涼太
間に合わなかった。離さないって言っておいて、大事な時に守れなかった。ごめん
どうして涼太が謝るんだよ。
渡辺翔太
渡辺翔太
っ、おれはっ、
ちゅっ


本当に、優しかった。

こんなにも透き通ったキスがあるものかと思った。

すぐに見えた涼太の表情も世界一、優しかった。

そして、少し悲しそうだった。
宮舘涼太
宮舘涼太
お風呂入って、サッパリして、また寝よう
渡辺翔太
渡辺翔太
宮舘涼太
宮舘涼太
市販の頭痛薬も買ってきたからこれも飲んで?
明日休みでしょ?今日はゆっくり休もう
渡辺翔太
渡辺翔太
宮舘涼太
宮舘涼太
…ね?
涼太は俺の頭を撫でた。



ギュウッッ
宮舘涼太
宮舘涼太
っ!?
押し倒してしまいそうな勢いで、俺は涼太に抱きついた。

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