第102話

98話〜しるばーな編〜
389
2023/12/29 03:43
しるばーなside
チュンチュン…チュンチュン…
しるばーな
ん………あれ、
目が覚めると、知らない部屋のベッドで寝ていた
しるばーな
なんで…?
僕は仕事を失敗した死んだんじゃなかったの?

それに……
しるばーな
ここは…
家具がベッド以外何もない所を見ると…今までここは
使われてなかったんだろう

じゃあ、なおさら なんで僕ここにいるんだ…?
しるばーな
っ…
いや、今はそんなこと考えてる場合じゃない

窓の鍵は……よし、開いてる

ここから逃げよう
🪟カチャ、






まるぐり
わっ!!!
しるばーな
わぁっ!?!? 
窓を開けた瞬間、急に人が飛び出してきた
まるぐり
wwwびっくりした?
死神と一緒にいたヤツ…!
しるばーな
……なんでお前が
まるぐり
ん〜?君にしてほしいことがあって
…なんとなく分かった

たぶん僕は気絶した後、コイツにさらわれたんだろう

そして今からされるのは間違いなく…













拷問だ
しるばーな
…やるなら さっさとしなよ
まるぐり
ま、それもそっか
拷問で聞かれるのはたぶん…僕達一家の拠点

それを僕が言った時、コイツらは父さんと母さんの所を
襲撃しに行くだろう
それは避けなきゃ

父さんと母さんに迷惑はかけたくない
まるぐり
んじゃ、早速やってもらおっか










📄ピラッ
しるばーな
…?
か、紙…?
まるぐり
とりま読んでみ
しるばーな
………
…まぁ、読むだけならいいか
📄聖天は家族のご了解を得た上、霹靂隊の仲間として
  協力していただくこととなりました。
  ここに了承のサインをお願いします。
しるばーな
…………は?
な、何これ…?

霹靂隊に入るってこと?僕が?

しかも"家族のご了解を得た上"って…!
しるばーな
…どういうこと
まるぐり
書いてあるまんまだよ
まるぐり
君…"聖天"は霹靂隊に入ることになった
まるぐり
あ、役割はすたんちゃんから聞いて
しるばーな
そういうことじゃない
しるばーな
どうやって家族の了承を得たの
まるぐり
……知らん
しるばーな
っ…!
どういうこと…ホントに、意味分かんない
違うよね?父さんと母さんが進んで、僕を霹靂隊に
入れたわけじゃないよね…?
🚪ガチャッ
すたんがん
あっ、おはよ~聖天さん。気分はどう?
死神…!
グイッ
まるぐり
すたんちゃん!
しるばーな
……答えろよ
紙を死神に見せながら、胸ぐらに力を込める
しるばーな
どうやって家族の了承を得た
すたんがん
………
しるばーな
答えろよ…ッ!
プルルルルルル、プルルルルルル、プルルルルルル…
電話の音が部屋に鳴り響いた。きっと死神のだろう

僕が胸ぐらを掴んでいるのに、彼は構わず電話に出た
すたんがん
もしもし?……はい、そうだけど
すたんがん
………聖天なら今俺のとこにいるよ
しるばーな
…!
父さんと母さんだ…!
しるばーな
貸せッ!
パシッ
すたんがん
あっ、ちょっと…!
タッタッタッタッタッタッタッタッタ…!!!
すたんがん
マズいッ……まるぐりちゃん!急いで探すよ!
まるぐり
分かった!
タッタッタッタッタッタッタッタッタ…!!!
僕は急いで死神達から離れて、電話に耳を当てた
しるばーな
📞もしもしッ?父さんッ母さんッ
父さん
📞その声…しるばーなか?
やっぱり父さんだ…!
しるばーな
📞死神から聞いた…霹靂隊に入るって
  どういうこと?
父さん
📞……………
しるばーな
📞……父さん?
父さんが黙ることなんて珍しくて、僕は首をかしげた
父さん
📞……お前のせいだ
しるばーな
📞え?
僕のせい?

それは…
しるばーな
📞仕事を失敗したからってことだよね?
  それは本当にごめんなさい…次からh
父さん
📞お前のせいだ!! 
しるばーな
ビクッ
初めて父さんの怒号を聞いた僕の体はわずかに震えた
父さん
📞…やはり、連れてくんじゃなかった
しるばーな
📞……?
連れてく…?
しるばーな
📞連れてくって……何のこと?
父さん
📞なんだ、自覚してなかったのか
ドクンッと心臓が大きく脈打った

…この先は聞いちゃいけない。僕の本能がそう叫ぶ













父さん
📞お前は俺達の息子じゃない。お前の
  本当の両親は俺達が殺した
しるばーな
📞………なんて?
僕は父さん達の息子じゃない…?

本当の両親は父さん達が殺した…?
しるばーな
📞そんな……ぇ、嘘だ……嘘だよね…?
父さん
📞ガキは殺すと面倒くさくなるからと
  思って連れて行ったが…失敗だった
しるばーな
📞……なに、それ…
まるぐり
っ!(いた!見つけた!)
まるぐり
聖て、
 
ポロッ…
 
まるぐり
…!
しるばーな
📞何それ……じゃあ…じゃあ、僕に今まで
  かけてくれた言葉はなんだったの…?
父さん
📞全部嘘だ。お前を完璧な殺し屋に
  するための
しるばーな
📞……はは、あはは…
口からは何故か笑い声が出てきた

何も面白くない。何も楽しくなんてないのに
しるばーな
📞僕は利用されてたってことね…
父さん
📞そういうことだ
あっさりと言われてしまうその言葉

心がぐちゃぐちゃになった感覚がした
しるばーな
📞……教えてよ
しるばーな
📞なんで、僕を霹靂隊に入れたの?
父さん
📞母さんに子供ができた
父さん
📞そもそもとして、お前を殺し屋として
  育てようと思ったのは母さんが子供を
  授かりにくい体質だったからだ
父さん
📞俺達の間に子供ができた今…聖天は
 もう必要ない
しるばーな
📞………そっか
父さん
📞切るぞ
ピッ
しるばーな
………あは、あはは…
体に力が入らなくて、壁によりかかった
しるばーな
こんなのって……
こんなのってないよ……ねぇ、神様

こんな真実…僕は知りたくなんてなかった

こうなるんだったら…電話を奪わなきゃよかった
まるぐり
………聖天、
しるばーな
……なんだ、いたんだ
しるばーな
君達は知ってたんでしょ。僕のこと
まるぐり
……あぁ
しるばーな
っ…ほんと、ばかみたいだよね…
雫が零れないように、目元を手で隠した
しるばーな
わらっちゃう……
まるぐり
………
ギュウッ
しるばーな
えっ…?
いきなり抱きしめられたことに驚いて声を出す

しばらくしてソイツは、優しく僕の頭を撫でた
まるぐり
……落ち着くまで、ここにいろ
……懐かしい
何が懐かしいかは分からない。でも自然とその言葉が
頭に浮かんだ
しるばーな
…うん
そっと、彼の背中を抱きしめる
しるばーな
ねぇ、
まるぐり
ん?
しるばーな
……名前、聞いてもいい?
死神が呼んでたから名前は分かってる

けど彼の口から、その名前を聞きたくなった
まるぐり
俺はまるぐり。好きに呼んでよ
まるぐり
お前は?
しるばーな
僕は…
しるばーな
…しるばーな
まるぐり
しるばーな……しる、か
まるぐり
よろしく、しる
しるばーな
うん、まるぐりちゃん
ギュッとより力を入れる

彼…まるぐりちゃんの体は優しい温かさだった

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