前回のあらすじ:令嬢捜索の体で真選組内ではあなたの名字あなたの下の名前コスプレ大会が催されていた。
どうしてこうなった。
沖田隊長はともかく、隊内唯一の女が女装なんてしたら、ただの女に戻ってしまうじゃないか。
てゆーか私が原作だし。
探す人物をサンプルに外を探しに行っても見つけられる訳が無い。
やっっっべーーー!!!
一瞬マジでバレたと思ったーーーー!!
バレてないよね?、
似てるって思われてるだけだよね?!
あれからもう一度令嬢捜索が行われた。
捜索用に配られたのは結局お嬢様だった私の写真だった。
あのコスプレ大会はあくまで松平公の自己満足に過ぎなかったのだ。
↑ちなみに隊長には私が女だとバレた時点で「廣垣梅子」の名前は本名だというデタラメを伝えてあるのだ。
そう言った後、隊長がこちらへ向かってくる。
急いで反論しなくては怪しさが増してしまう。
ダッ!っとウイッグが取られる。
それと同時にウイッグネットも取れてしまった。
私の長い髪が胸元辺りまで流れる。
詰んだ。
私の顔を見直して確信が持てたのか隊長は私の片腕をガッシリ掴み電話をかけた。
電話を切って隊長は私を見つめた。
とびきり腹黒い笑みで。
副長たちが駆けつけた後私の正体がバレ、松平公、それから私の両親へと情報が広まっていった。
大勢の人達に迷惑が掛かったのは分かってる。
けど、正直なことを言えばもう少しバレないで欲しかった。
採用試験を受けに行ったり、パシられたり、コスプレしたり、そんな経験は屋敷の中じゃそうは出来ないから。
凄く優しい人。
真選組が組織としてまとまりが保てているのも頷ける。
これでいい。
あなたの名字家のお嬢様も無事屋敷に戻り、真選組としても仕事が一段落ついたんだ。
これ以上私が望むことなんて許されない。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!