第15話

弱み
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2019/02/03 12:15
桐島 和人
えっ⁉
桐島 和人
園風たち、女王の弱み教えて
くれるの⁉
和人はそう言って目を丸くする。
園風 雨音
だから言ってんじゃん。教えるって。
園風さんはそう言って呆れた顔をする。
桐島 和人
騙してないよな...?
園風 雨音
何?疑ってるの?
桐島 和人
い、いや...
美野木 莉乃
私は渚ちゃんの為にするの。
美野木 莉乃
和人くんの為じゃないよ?
美野木さんはそう言っていたずらっぽい笑顔を
浮かべる。
桐島 和人
はいはい。そうですか。
潮目 渚
和人、態度悪いよ。
園風 雨音
とりあえず、本題に入ろう。
園風さんがそう言うと、園風さんと美野木さんは
私と和人の向かいにある席に腰を下ろした。
園風 雨音
まず、これを見てほしい。
園風さんはそう言って、私たちにスマホを
手渡した。

すると、スマホにある動画が流れる。






















音は無い。

けど、見るだけで良かった。
























女王が、万引きをしている動画だった。





















桐島 和人
うわっ。
潮目 渚
万引き...?
園風 雨音
そう。万引き。
潮目 渚
これ、いつの?
園風 雨音
2週間前。
2週間前か...


万引き。

それは、校則どころか法律に違反する行為。

窃盗罪だ。


私たちの年齢からすると、少年院行きもあり得る。
潮目 渚
凄い有力情報...!
潮目 渚
ありがとう!雨音!
潮目 渚
...あ、
園風 雨音
良いよ。雨音で。こっちも渚って
呼んでるし。
美野木 莉乃
私も、莉乃で良いよ!
潮目 渚
ほんと⁉ありがとう!
二人が良い人で良かった。
桐島 和人
そんで、決行はいつにするんだ?
潮目 渚
決行...?
私がそう言うと、和人は呆れた顔をした。
桐島 和人
女王を下ろす時だよ。
潮目 渚
あぁ、
...もう、決まってる。





















『明日だよ。』






















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潮目 渚
暮斗...
月明かりが、暮斗の病室を照らす。
潮目 渚
やっと、きたよ。このときが。
視界が滲んでいる。
潮目 渚
怖い。怖いよ。
潮目 渚
ねぇ、失敗したらどうしよう。
潮目 渚
どうしよう...






















「渚なら出来る。」


「行ってこい。渚。」

















「前へ、進め。」





















暮斗が言った、あの言葉。






















大丈夫。


和人がいる。雨音がいる。莉乃がいる。


だからきっと、大丈夫。




















私は、服の袖で涙をごしごしと拭った。
潮目 渚
私、頑張るね。
潮目 渚
絶対、諦めないからね。
潮目 渚
この学校を、救ってみせる。





















暮斗。


早く、起きてよね。






























平和な学校で、待ってるから。

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