袋3つ。中は洗剤、食品、トイレットペーパー。
もう日も沈み出している。
もうすぐ冬かあ。…急ご。
もう一度力を込めて歩き出す。
黒いジージャンに黒のサングラス。パーカーには自分の顔がプリントされている。ダ、ダサい。
でもこの人誰かわかる。青色のパーカー、トド松達と同じ髪型。体型。
そう言うと、荷物が入った袋を全部持ってくれた。
思わず食い気味で言ってしまった。そして私の方が背が低いから自ずと上目遣いになり、彼とたちまち目が合う。
彼の瞳が揺れ動くのがわかった。
彼の顔がプイッと前を向く。私もなんだか恥ずかしくなってしまって顔を伏せる。
お互い何も話さないまま、気付けば松野家に着いていた。
言うの忘れてたァ!
ガラガラ
キョトンってしてる!いっとけば良かった…(>人<;)
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。