第19話

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2024/03/18 12:00
治療が始まってから3ヶ月が経った。
西村さんからの花束は全部素敵で心の支えになっていた。
でも私の状態は日に日に悪くなるばかりだった。

 『はぁ、

寝たきりになる日も増え、体調がいいと感じる日も少なく
なった。
そんな時だった、私が絶望の底に突き落とされたのは___

大「あなたちゃん、ちょっとええ、?」

この日はなんとなく大西先生の様子がおかしかった。
明るく振る舞っているものの、目が笑っていなかった。

 『…はい、

大西先生に呼びだされ、連れて行かれたのは相談室。
そこにはまりんさんと、知らない白衣を着たお兄さんがいた。

 『え、っと…

知らないお兄さんに戸惑っていると、大西先生が助け舟を出してくれた。

大「俺の友達の岡崎彪太郎。お医者さんやで。」

岡「岡崎彪太郎です。よろしくね。笑」

優しく微笑んでくれる岡崎先生。
でも岡崎先生もどこか暗いような気がした。

澄「あなたちゃん、ここ座って?」

岡「今日はな、あなたちゃんに言わなあかんことがあんねん、」

 『え、

大「単刀直入に言うな、」 

岡「あなたちゃんのお母さんが危篤です。」

 『え、?え、どういうことですか、笑

頭が混乱して何も考えられなかった。
信じられなくて、信じたくなくて、もう笑うことしかできなかった。

岡「でもまだ希望はあるから。俺が助けるから。」

 『っ……』

岡崎先生が真剣な眼差しでこう言ったときに、ほんとに現実を突きつけられた気分だった。信じたくないのに。
がつんとバットで頭を殴られた気分だった。

 『母は今どこに、?

岡「隣町の病院。俺が担当医をしてます。」

澄「会いに行く、?」

会ったら立ち直れないと思った。
それと同時に会わなかったら後悔するとも。
それでも私はその問いに答えられなかった。

岡「会いたかったらいつでもおいでな、?笑」

大「そん時は外出許可が降りるから。」

澄「なんかあったら言ってね、笑」

3人の先生はいつもより丁寧に、優しく接してくれた。
でもなかなか決心がつかなかった。
そうこうしているうちに、私の母は亡くなった_____

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