第6話

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2021/01/18 09:21



「ありがとう」



姉は錠剤を口に含むと、水で流し込んだ。


ゴクリと姉の喉が上下するのを見て、僕は満足げに頷いた。


それから姉は部屋着に着替えると、シャワーも浴びずに僕が敷いておいた布団へ入った。


僕も電気を消すと隣の布団に潜り込んだ。


しばらくして寝息が聞こえてくる。


僕は横になったまま静かに息をした。


ただ目は閉じなかった。


窓の外から射し込む月の光。


照らされたくすんだ壁をじっと黙って見つめた。


姉が布団に入って一時間ほど経った頃、僕はゆっくりと身体を起こした。


スヤスヤと眠っている姉の規則的な息遣いが鼓膜を心地いい。



「姉貴」



呼びかけたが、返事はない。


次に肩を揺すってみる。


だが、起きる気配はない。


続けざまに勢いよく布団を剥ぎ取った。



「おい、姉貴っ」



そして、少し乱暴に呼びかけた。


それでも姉は全くの反応を示さなかった。


僕は肩の力を抜いた。


ゆっくり息をする。


それから、一度瞬きをすると、姉の服に手を伸ばした。


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